PARCIC

仮設住宅生活支援・農業復興支援(2012年~2015年)

仮設にっこりサンパーク団地に住む農業経験のある女性たちを中心に計画を進め、畑を分配したり、共同栽培したりすることになりました。畑作業を通じて、被災者が立ち上がるきっかけづくりができればと事業に取り組んでいます。

石巻市北上町十三浜にある仮設にっこりサンパーク団地の住民たちが、すぐ隣にある北上中学校の畑の一部を借りて「にっこり団地農園」を始めました。津波で壊滅的な打撃を受けたこの地域の人たちは、被災前から九割以上が農業にかかわり、農業で収入を得たり、家庭で食べる野菜を栽培したりしていました。その多くが自宅、納屋、農器具などを失っただけでなく、畑が浸水して耕せない状態にあり、畑の担い手である高齢者や女性たちからは「農作業をしたい」「畑に出ることで引きこもりや生活不活発病を防ぐことができる」という声が上がりました。そこで、仮設団地に住む農業経験のある女性たちを中心に計画を進め、希望者に畑を分配したり、共同栽培したりすることになりました。ジャガイモ、ダイコン、キャベツ、レタス、インゲン、ナス、トマト・・・・各家庭が思い思いの野菜を栽培しています。共同の畑では、先週、はつか大根を収穫したほか、葉物野菜もずいぶんと大きくなり、苗床のトウモロコシは植え替えを待つばかり。これからは、ようやく設置の終わったビニルハウスを使って、野菜の育苗や花苗作り、時期をずらした野菜栽培をしていきます。さらに、近隣にある畑を借り、残っている瓦やガラスの破片などを拾って耕作できる状態にし、農園を広げようと考えています。

早朝から畑作業をする人の姿や、天気の良い週末には家族連れの姿も見られる一方で「まだ、やる気になれない、被災した自分の畑に向かい合うことができない」という人もいます。しかし、「誰かがやり始めればみんながやり始める。少し畑を耕せば欲が出てもっと植えたくなる。みんな、立ちあがるきっかけがほしいのだ」と参加者たちは言います。「ジャガイモが収穫できたら団地の皆でイモ煮会をしよう」「十三浜のあちこちで畑や花壇がよみがえるように」と夢は膨らみますが、目下、チンゲンサイや水菜などの野菜をどうやって仮設団地で販売するか検討中です。

ジャガイモのたねつけ準備

ラディッシュが獲れました

スタッフレポート

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