パレスチナ西岸地区にはイスラエルの入植地が数多くあり、現在も入植地は拡大し続けています(*1)。パルシックは、2016年から、この地区で植樹を通して、環境の保全とともに住民の暮らしを守る取り組みをしています。これまでさまざまな木を植えてきましたが、特に古くからの主要産業であるオリーブの木を植えることはパレスチナ人にとって大きな意味を持つと住民たちはいいます。「オリーブの木は、この土地に根を張って生きてきた私たちのアイデンティティの一つです。産出されるオリーブの質は他の地域に負けません。」と胸を張ります。
しかし、イスラエル輸出用の石材を掘りだす大規模な採石場や、無認可のゴミの集積場の建設により、地域のオリーブ畑は縮小し、耕作放棄地が増加の一途をたどっています。また、イスラエルの違法入植地にも近接しているため、入植地間を結ぶバイパス道路建設のために農地が収奪されたり、入植者による嫌がらせを受けるということも起こっており、農家の暮らしが脅かされています。
パルシックはこれまで、耕作放棄地となっている農地を中心に、地元の農家にオリーブやイナゴマメ(*2)等の植樹苗の配布、植樹活動のサポート、専門家による研修、環境ワークショップなどを行ってきました。2022年度は、耕作放棄地となっている公共地を、植林を通して緑化を推進すると同時に、占領下の生活で少しでも住民の憩いの場となるよう公園として整備します。
急傾斜地が広がるジャマイン。山の上には採石場が見える
ジャマインのオリーブ畑
植樹の様子
*1 占領地における入植地の建設は国際法違反(1949年ジュネーブ条約第4条約、イスラエルは1951年批准)である。
*2 イナゴマメ
※この事業は、国土緑化推進機構の緑の募金の助成および皆さまからのご支援によって実施しています。
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