2011年3月11日の東日本大震災の発生から4年の年月が経過しました。パルシックが活動する石巻市北上町は、1955年に十三浜村と橋浦村が合併して北上村に、1966年に北上町となった地域で、2005年の「平成の大合併」で石巻市の一部となりました。東日本大震災前の人口は2,288人、このうち、地震による津波によって165人が死亡、80人が行方不明となりました。世帯としては672世帯のうち522世帯が家屋の全壊の被害にあっています。
現在北上町では他の沿岸地域と同様、防災集団移転促進事業による高台移転地の造成工事が町内の各地区で進められています。しかし、造成団地全11カ所のうち現在までに住民への引き渡しが完了している団地は釜谷崎団地、小室団地、小指団地の3地区のみに留まり、未だ多くの住民が仮設住宅での生活を強いられています。
現在用地の買収は全造成地で完了し、各地伐採や土工事に着手が始まっていますが、一番遅く工事が完了する団地は平成28年度中といわれ、そこから各世帯の自力再建住宅や公営住宅の建設が完了するまでを考慮すると、新居での安定した生活を取り戻せるのは、平成29年度頃まで先になるといわれています。それでも、先の先行3地区の引き渡しにより新しい住宅が建ち始める様子は、北上町全体に希望をもたらす進捗であると言えます。これまで用地買収などを理由に工事が滞り、目に見える復興の姿を捉えられなかったため、気の滅入る方も少なくありませんでした。造成工事が進む様子を目で見て取れる今は、そこでの生活を想像することが最近の楽しみになっていると語ってくれる住民の方も現れ、住民に漂う雰囲気も変化が出てきているように思えます。
造成の工事がほぼ確定した地区が多く出てきたこともあり、年度終わりごろから住民の高台移転に関する関心事は『団地のどこにだれが住むか』となってきています。先駆けて計画が確定したにっこり地区では、それを決めるお手伝いをしました。来年度は他の地区でもこのことで話し合う機会が多くなると思われます。完成が見えるまでもうしばらくの辛抱が必要となりそうですが、その日が来るまでに住民の皆さんがいかにより良い新生活を迎えられるかについて、少しでもそのお手伝いをしていきたいと思います。
(復興応援隊 遠藤博明)