ムライティブ県は内戦末期に激しい戦闘が繰り広げられ、戦争で大きな被害を受けた場所です。2009年の終戦後、2012年末になってやっと人びとの帰還が認められた地域、いまだ軍が土地を占拠しており、人びとが元いた場所に戻ることができていない地域もあります。
2013年3月、ムライティブ県マリタイムパットゥ郡の東南沿岸部に位置する、コクトルワイ、カルナドゥカーニ、コクライの3村から、帰還民の生活向上、コミュニティ復興のための事業を開始し、共同井戸の建設、戦争によって解体した漁協活性化のための研修実施、せり場の建設、村民が皆で利用できるコミュニティセンターの建設とセンターを利用したプログラムを実施しました。また、対象を同郡内及び隣接したプドゥクディルプ郡の村落にも拡げ漁網の配布を実施しました。さらに、水産資源の枯渇が懸念されており、持続可能な漁業につなげるために、エビやカニの蓄養、淡水魚の稚魚放流など簡易的養殖の導入を行いました。
2016年11月からは、ムライティブ県の中でとりわけ貧困が顕著な内陸に事業地を移し、マリタイムパットゥ、プドゥクディルプ、オトゥスターン、トゥヌカイ4郡の淡水池で漁業を営む漁民を対象に、資源管理と漁協強化による生活向上を目指した事業を実施しました。生簀を池に設置し稚魚を中間育成し漁獲量の安定を図り、コンピュータ研修や海外視察研修など様々な研修を実施して、漁民の収入の向上と漁協の強化を支援しました。
※この事業は、日本NGO連携無償資金協力の助成を得て実施しました。
ミーティングに集まったカルナドゥカーニ村漁協のメンバー
帰還したばかりの人の住まい
戦争で破壊され、使用されていない古井戸
※この事業は、日本NGO連携無償資金協力の助成を得て実施しています。
外務省: 日本NGO連携無償資金協力