Botardi!こんにちは、インターンの黒沢舞衣です。
9月22日から24日にかけて、アタウロ島への出張に同行しました!今回はふりかけ工場の運営がパルシックの全面サポートの手を離れ、事業を現地の漁業組合へ引き渡す手続きをするために、パルシック東ティモール事務所代表の伊藤さんとふりかけ・栄養事業担当の桑原さん、スタッフのマリアさんとともにアタウロ島へ行きました。(ふりかけ事業についてはこちらをご覧ください。)
アタウロ島は首都ディリからよく見える距離にあり、船で1時間ほどの距離です。しかし島には大きな船は近づけないため、下船のために小さなボートに乗り換える必要があり、全員を運んで荷物も降ろし終えるころには3時間ほどが過ぎていました。
ふりかけ工場があるビケリ村までは、軽トラの後ろにベンチを付けたようなものに乗り、海沿いのがたがた道を30分ほど走って向かいます。私たちは到着するとまず、桑原さんとマリアさんの宿泊先でもある、村長さんの家に挨拶に行きました。なんと息子さんが目の前で木に登ってココナッツを収穫して振る舞ってくれました。私はゲストハウスへ、伊藤さんはグループメンバーの女性宅へと分かれて宿泊したのですが、それは小さい村の中で利益が集中しないようにするためだそうです。
ふりかけ工場に向かうと、約束の時間を過ぎてから、ぽつりぽつりと女性グループの方々が集まって来ました。メンバーは一時14人まで増えましたが、コロナ禍で生産が計画通りに伸びず、グループを抜けてしまった方もいて現在は5人だそうです。しかしこのたび給食用のふりかけの大量発注があり、生産がやっと軌道に乗りそうだということです。運営を全面的に女性グループに任せるために、桑原さんは経理を担当するメンバーに、帳簿の付け方やエクセルの使用方法などの最終確認をしていました。
ふりかけ工場ではこの日、乾燥させ断裁したサイコロ型の魚を粉末状にする作業を行っていました。機械で乾燥させた魚を食べさせてもらったのですが、旨味がぎゅっと詰まっていてしょっぱく、何だか懐かしい味がしました。その魚を別の機械に投入して粉末状にして、袋に入れて保管します。後日別の材料と一緒に混ぜてふりかけにするそうです。大きな機械音の中、女性たちは真剣な面差しで作業をしていました。
翌日、過去に料理教室(詳しくはvol.3へ)を行った近くの小学校を見に行き、栄養バランスの取れた献立づくりが続いていることを確認したあと、再びふりかけ工場に向かいました。今回の出張の目的は、今後の工場運営に関する、女性グループ、パルシック、村長、土地提供者、漁業組合長での話し合いです。14時に集まる予定でしたが、組合長が17時にディリから戻るということで、私はメンバーの方と雑談をしたり、子どもたちと遊んだりしていました。会議では運営や資金繰り、土地提供者へのお礼に関してそれぞれの考えや不安を話し、パルシック側の意向を伝えて無事合意に至りました。
アタウロ島は、海がとても綺麗な島です。海で水浴びをする子どもたちや魚を獲りに行く方、網を直している方がたくさんいました。宿泊先のゲストハウスでは新鮮な魚を調理してくださり、毎食がとても美味しかったです。港では、船が着く日には市場が開かれ、魚や、べっ甲で作ったアクセサリー、ココナッツの葉で編んだ小物入れなどが並びます。
しかし野菜はあまり採れないアタウロではディリのものなども売られていて、その値段は高いそうです。滞在中、栄養失調が原因とみられる金髪の子どもを多くみかけ、バランスの良い食事が取れていないのかなと思うことがありました。電気は自治体が提供していて、8時から12時、14時から22時までだけ使えるということにとても驚きました。
今回はビケリ村への出張でしたが、また機会があれば、他の村や観光地も訪れてみたいです。今後女性たちが上手く工場を回して生産を軌道に乗せ、ふりかけが多く消費されて、彼女らの収入が少しでも増えればいいなと思います。
(インターン 黒沢舞衣)