PARCIC

インドネシア中部 スラウェシの地震・津波被災者支援

地震・津波被災者へ食糧・生活用品の配布を実施-1

早いもので地震発生から3か月近くが経ちました。この間、自然災害ではないもののジャカルタでの飛行機墜落事故、そしてスンダ海峡で甚大な被害を及ぼした津波と、次々に災害が起こっています。早く平穏な日々が訪れることを願うばかりです。

前回のレポートにも少し書かれていますが、現在、パルシックが活動拠点にしているパル市では、飲食店やスーパー、コンビニなどが営業を再開しています。全半壊した建物もちらほら見かけるのですが、ここが被災地とは思えないくらい日常の風景が戻りつつあります。

品揃え豊富な市内のスーパー

品揃え豊富な市内のスーパー

しかし、仮設住宅の建設は予定通り進んでおらず、未だに避難民キャンプでのテント生活を余儀なくされている被災者がたくさんいます。そういった方々を対象に、パルシックは食糧と生活用品の配布を実施しています。

緊急支援がスタートして現地入りした当初、現地の被災状況や支援状況が整理したかたちで集約されていませんでした。また、現地入りした時点ですでに震災発生から1か月が経過していたこともあり、状況は刻々と変化していました。そんな中で、スタッフは被災者の方々から話を聞いたり、テント生活の様子を観察したりと、どこにどのような支援が必要なのかを見極めるのに時間がかかりました。

例えば、緊急時に簡単に調理できるインスタントラーメンを配布する予定でいたのですが、テント内を見せてもらったところ、既に他団体から大量に支給されており、被災者の方からは「インスタントラーメンはたくさんあるからそれ以外のものがほしい」という声があったため、私たちの物資配布リストから削除しました。

そのような調整を何度も重ね、ようやく10月末から食糧・生活用品の配布を開始しました。12月25日現在、10か所で配布したうち3つの村を選んでレポートを3回に分けてご紹介します。

シギ県ソウロウェ村での活動

まず最初にご紹介するのは、食糧と生活用品の配布とは別に、チャイルド・フレンドリー・スペース(CFS:子どもにやさしい空間)も提供しているシギ県ソウロウェ村です。

パル市内から車で内陸に向かって40分ぐらい行ったところに位置する村です。
地震によって全半壊した家屋が目立ち、多くの被災者は数か月居住する目的で建てられた簡易的な仮設住宅に住んでいます。

ソロウェ村の様子

ソロウェ村の半壊した家屋

ソロウェ村の様子。どれだけ大きな地震だったか感じさせる光景です。

ソロウェ村の様子。どれだけ大きな地震だったか感じさせる光景です。

現在多くの村人が住む簡易的な仮設住宅。

現在多くの村人が住む簡易的な仮設住宅。

仮設住宅の内部。ビニールシートで作られているので日中は暑くて中にいられないとよく聞きます。

仮設住宅の内部。ビニールシートで作られているので日中は暑くて中にいられないとよく聞きます。

 ソロウェ村では、2回に分けて食糧を110世帯に、生活用品を107世帯に配布しました。

2回目の配布の様子

2回目の配布の様子

地震・津波被災者へ食糧・生活用品の配布を実施-2 へ続く

(スラウェシ事務所 飯田彰)

※この事業はジャパン・プラットフォームの助成で実施しています。

関連プロジェクト