PARCIC

ふりかけ普及と食生活改善による栄養改善事業

東ティモール:ふりかけ原料の栽培研修の実施

東ティモールの首都ディリから船で3時間ほど揺られるとアタウロ島に到着します。栄養改善事業のふりかけ生産はこのアタウロ島のビケリ村で行われています。今回は、そのビケリ村で行われた、ふりかけの原料の栽培研修についてご紹介します。

ふりかけの材料となるのは、干し魚、ゴマ、乾燥モリンガ、ウコン、ナンキョウです。2019年には、原材料の加工方法についての研修を行っており(詳細は昨年の記事)、今回は前回の研修のフォローアップと、ゴマ、モリンガ、ウコン、ナンキョウの栽培方法の研修を、工場前の試験農場で実施しました。研修は昨年同様、Pala(パラ)、Iliknamo(イリクナモ)、Ilidua(イリドゥア)、Uaroana(ウアロアナ)、Fatuu(ファトゥー)の5集落を対象としています。

栽培研修をするにあたり、パルシックに農業専門のスタッフがいないため、現地NGOでの経験があるアルビノさんに協力してもらいました。彼はまだ20代前半と若いですが、農業の知識が豊富で、女性たちへの説明もわかりやすく、スムーズに研修を進行してくれました。

畑を耕している様子

ナンキョウを植えている様子

植え方について説明を受ける女性たち

きれいに整備された畑

モリンガとウコンはとても馴染みのある食材ですが、ゴマとナンキョウはアタウロ島であまり見かけない食材です。そのため、参加者の中には見たことがないという方も何人かいました。ゴマはアタウロ島の環境(海が近く気温が高い)でも生育できますが、ナンキョウは標高が高く、涼しい気候でよく育つようで、海に近く、暑いビケリ村では栽培は難しく、今後、継続的な調達方法を考えていく必要がありそうです。

ナンキョウ:ショウガ科の植物。見た目もショウガに似ていますが、サイズはショウガより大きく、スパイシーな香りがあります。

参加者からは今回植えた作物がどのくらいで収穫できるのかといった質問や、自分の畑で植えている他の作物(空心菜やトウモロコシなど)についても質問が出て、雨季に向けて、畑での作物の栽培に力を入れたいというのが伝わってきました。

研修から数日経つと、試験農場では一番にゴマから芽が出てきました。栽培研修を実施した時期は雨の降る日が少なかったのですが、現在は本格的に雨季に入り、研修で植えた植物もかなり生長してきました。ふりかけ工場で働く女性たちが工場での仕事の合間に畑の草刈りもやってくれています。今後、これらの原料が各集落で収穫され、そしてふりかけ工場で買い取りできる時期が来るのが楽しみです。

芽が出てきました

現在の畑の様子

(東ティモール事務所  桑原真菜実)

※この事業は外務省NGO連携無償資金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています。

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