PARCIC

ムライティブ県帰還民の生活再建支援

生簀を池に設置して、稚魚を育て始めました

現在、ムライティブ県の内陸に位置する6つの貯水池を対象に、漁協強化を目的に事業を進めています。

今日は、テニヤンクラム漁協のコータカッティクラム池での様子をご紹介します。

主な活動として、浮くタイプの生簀を組み立て設置し、主魚種であるティラピア、インド鯉のローフ及びカトラーの稚魚を生簀の中で1、2ヶ月育て、その後池に放流して、半年後の収獲を待つものです。その収獲から得た収入の一部を漁協に貯蓄し、自らの手で蓄養を行い、安定した収入の確保を得ることを目指しています。

第1弾として、2月下旬に3つの池で生簀を設置し、稚魚を育て、4月にティラピアの稚魚を、5月にはインド鯉の稚魚を放流し、半年後の収獲を待っているところです。

何かしら起こるのが事業です。稚魚へのエサやりを漁協に任せたのですが、特定の漁民のみが担当し、漁協全体の事業として捉えられていないように見えたのが懸念されました。1日3回カヌーで生簀のところまで行き、エサを稚魚に与えるのは単純なことではありますが、時間を割かなくてはなりません。また、稚魚の効率的な成長を促すためには、決まった時間にエサを与えることも必要になってきます。

生簀を組み立てています

生簀を組み立てています

生簀を浮かせるため樽を括りつけています

生簀を浮かせるため樽を括りつけています

漁民みんなで生簀を池に運んでいます

漁民みんなで生簀を池に運んでいます

生簀になる網を枠に取り付けています

生簀になる網を枠に取り付けています

この問題を踏まえた上で、第2弾の生簀設置を残りの池で行いました。

2日がかりで設置完了しました。スタッフにとっても第1弾での経験があり、手際よく終わらせることができました。

そして、ティラピア稚魚が納品される日がやってきました。
朝の3時に起きて、ふ化場に出向き、稚魚を輸送トラックに入れるところを見届け、各池の生簀に放ちます。

ふ化場で納品用に稚魚を集めている様子

ふ化場で納品用に稚魚を集めている様子

コータカッティクラム池の漁民にとって、稚魚を自分たちで育てるのは初めての経験です。 1、2cmほどの小さな魚を見るのは珍しいようで、みんなで見ていました。

コータカッティクラム池の漁民にとって、稚魚を自分たちで育てるのは初めての経験です。 1、2cmほどの小さな魚を見るのは珍しいようで、みんなで見ていました。

輸送車からたらいに稚魚を移し、慎重かつ急いで生簀に移し替えます。のんびり運んでいると、温度の上昇や酸素不足で稚魚が弱って死んでしまうからです。

輸送車からたらいに稚魚を移し、慎重かつ急いで生簀に移し替えます。のんびり運んでいると、温度の上昇や酸素不足で稚魚が弱って死んでしまうからです。奥に見えているのが完成した生簀。

稚魚を生簀に放ち、完了です。これから1か月程エサを与えながら、育てていきます。

稚魚を生簀に放ち、完了です。これから1か月程エサを与えながら、育てていきます。

懸念していたエサやりに関して漁民同士で話し合った結果、コータカッティクラム池については1人が4日間ずつローテーションでエサやりを担当し、決まった時間にしなかった場合、罰金200ルピー(約150円)を科すことになりました。
それぞれが責任を持ってエサやりをし、また稚魚の成長を見ることができ、自分たちの事業として捉えることが出来るのではと期待しています。

(ムライティブ事務所 飯田彰)

※この事業は、日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。

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