PARCIC

緊急人道支援

スリランカ経済危機 北部の漁村に緊急食料・生活用品を配付しました

2022年8月末までに皆さまからいただいたご寄付を、現地に暮らす元スタッフのアジットさんに託し、2022年9月24日にムライティブ県タンニムリップ村の全世帯(120世帯)と、スリランカ北部の他の村で暮らすサリー事業に参加する女性たち(15世帯)の合計135世帯に、米や米粉、小麦粉、ココナッツオイルなどの約1週間分の食料と石鹸や生理用品などの生活用品を届けました。

配付した食料と生活用品(1週間分の食料と石鹸などの生活用品)

支援物資の決定から配布まで

皆さまからいただいたご寄付を最大限生かし、できるだけ多くの物資を届けられるよう、経済危機で物価が変動する中での商品選びには幾分の時間を要しました。タンニムリップ村のサリー・グループのリーダーのランシラさんから、村の人たちが希望する商品のリストを受け取り、アジットさんがそれらの商品の価格を複数の店舗で調べ、注意深く価格と予算とにらめっこしながら支援物資とその数量を決めていきました。 価格調査は慎重に時間をかけて行いましたが、いったん購入先の店舗と商品を決めてしまえば、そこからは発注、配付へと一気に進みました。

配付日の様子

支援物資の配付は、タンニムリップ村のコモンホールで行われ、ランシラさんとアジットさんが、受け取りにきた各世帯の代表者の名前を確認し、一世帯ずつ物資を渡していきました。

支援物資を受け取りに来たタンニムリップ村の人びと

一人一人確認をするランシラさん(右)と受け取りの署名をする村の女性(左)

緊急救援物資を受け取りに来た人たちは皆さん大喜びで、「このような支援はこれまでなかった。とてもうれしく大変ありがたい。支援をしてくださった日本の皆さんに心から感謝している」と口々に話していた、とのことです。

母親に連れられて支援物資を受け取りに来た子どもたち

経済危機による物価の高騰は今も続き、今回の配付で村の皆さんの暮らしが解決するわけではありませんが、「当面の食料を心配しなくてもいい」、「子どもたちに食べさせられるものがある」ということは、一時のことであっても、人びとにとって大きな助けとなったようです。

支援物資を家へと運ぶ家族

配付を担当したアジットさんからは、窮乏の中に暮らす村の人たちのこの日の喜びを直に感じ、「日本の皆さんの支援に心から感謝申し上げたい、経済危機に苦しむスリランカの人たちにこのような温かい支援をありがとうございました」とのメッセージを受け取りました。

物資の手配、調達を担当した元スタッフのアジットさん(右)と、当日の配付を取り仕切ったランシラさん(中央)、物資を受け取りに来た村の女性(左)

今回は急な呼びかけにもかかわらず、スリランカ北部の漁村に暮らす人びとにご支援をいただきありがとうございました。

(スリランカ事業担当 西森光子)