PARCIC

ガザ空爆被災者への食料物資支援と農家の生産再開支援

ガザ停戦―現地からの報告

5月10日の夜から続いていた、イスラエルとガザを実効支配するハマスとの交戦は、12日目の21日、エジプトの仲介により停戦に入りました。

ガザへの空爆が続いている間、パルシックの現地スタッフや、支援している女性たちの身を案じてくださった皆さまに、心より感謝いたします。

この停戦を受け、現地の状況が少しずつ分かってきたため、報告させていただきます。

パルシックのガザスタッフやその家族は、皆、無事です。初日から激しい空爆対象となったガザ市内にあるガザ事務所にも、被害はありませんでした。

また、パルシックが支援してきた女性酪農グループのメンバーも、全員無事であることが確認できました。空爆下で身の危険があり、羊小屋に訪問できない中、羊1頭が死に、また流産で子羊2頭を失ってしまったという悲しい知らせはありましたが、グループ間で羊を分散させ家の中で世話をするなど、女性たちは必死に羊を守り抜いてくれました。羊小屋や水耕栽培施設にも大きな被害は出ていません。空爆の間も、熱心な獣医さんが、電話や携帯アプリを使って女性たちと連絡を取り、相談に乗ってくれていたそうです。

ガザの町は、道路や住宅、電気や水道といったインフラの破壊が激しく、復興には時間がかかりそうです。医薬品や食料、燃料なども大きく不足していることが明らかになっています。人々の心の傷も深刻です。特に空爆の被害が激しかった北部の町ベイト・ハヌーンでは、40分間に約500回の爆撃があったといいます。親族がそこに住んでいるガザスタッフによると、彼の兄弟は、その空爆のすさまじさに大きなショックを受け、それ以降、一言も口を利かなくなってしまったとのことでした。

こんな状況の中、「家族を失った人、家を破壊された人、彼らは一生そのことを忘れないけれど、それでも人生は続き、向き合っていかなければいけない。これが私たちの運命なのだから。」と、多くのガザの人たちは前を向いています。

破壊されてしまったガザの町を見ると、心がくじけそうになりますが、目をそらしていても現実が変わるわけではありません。現実に向き合って、私たちにできることを少しずつでもやっていきたいと思います。それが、ガザのよりよい未来につながると信じて。

空爆で破壊された道路

空爆で破壊された建物

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(パレスチナ事務所)

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