PARCIC

スタディーツアー

東ティモール コーヒー生産者を訪ねる旅 2013 参加報告2

「ボルス」との出会いとその再現

最初に、パルシックのスタッフの皆さん、東ティモールでお世話になった運転手さんたちや訪問先でツアーに協力してくださった皆さんに、心からお礼を申し上げます。今回のツアーは、私にとって初めての海外旅行でしたが、皆さんのおかげで、病気も事故もなく充実した旅を終えることができました。本当にありがとうございました。

さて、ツアーでの思い出は数多く、A4用紙1枚ではとても書ききれないので、一点に絞って、最も印象深かった、マウベシの菓子「ボルス」(Borus:カステラ・ケーキ類の総称とのこと)との出会いなどについて書きます。

マウベシの菓子「ボルス」をつくってみた

ツアー5日目、マウベシのパルシック事務所での夕食時、デザートとして「ボルス」が出てきた。事前に飲み物を買うため立ち寄った店で、現地スタッフの大坂さんが買ってくれたものだった。大した味ではなかろうとたかをくくっていた私だったが、食べてみて驚いた。

カステラのようであり、バターケーキのようでもあるが、どちらでもない。表面の焦げたところは香ばしく、中はやわらかく、甘さはほどほど、香りもきつくない。どこにでもありそうに思えるが、しかし個性的な味。いっぺんに気に入り、ぜひ日本で再現してみたいと思った。そして一晩考えた挙句、大坂さんに頼み、翌日ディリへ出発する前、店に寄ってもらいレシピを聞くことにした。

大坂さんの通訳でレシピを教えてくれた店のおばさま、「作ってみたい」という私を見て、半信半疑で「できるかしら」と言って笑っていた(らしい)が、その目の前で「やってみます」と宣言して別れた。これはやるしかない。

帰国して数日後、レシピの5分の2の量で、教えられたとおり、最初にマーガリンをやわらかくし、そこに次々材料を混ぜていく方法で生地をつくり、オーブンの温度を、初めは180℃、その後170~160℃にして焼き色がつくまで焼く方法で試作してみた。味はまずまず、結構それらしいものになった。しかし、ふくらみが足りない。ベーキングパウダーの量を増やすべきか?卵を泡立てた方がよいのか?再現できるまでしばらく試行錯誤が続きそうだ。

そして、再現した「ボルス」を持って、再び東ティモールを訪れ、店のおばさまや、大坂さん、現地のスタッフの皆さん、運転手さんたちなど、今回のツアーで出会った人たちとの再会を果たしたいと思っている。

なお、おばさまから聞いた「ボルス」の材料と分量を参考までに記しておきます。ツアー参加者の皆さん、一度作ってみてはいかがでしょう。

ボルス(Borus)材料と分量

☆でき上がり量:リング型2個分位

卵 ・・・ 5個
小麦粉(薄力粉) ・・・ 400g
砂糖 ・・・ 300g
マーガリン ・・・ 250g
牛乳 ・・・ 250ml
ベーキングパウダー ・・・ 小さじ2杯

ボルスの試作品

この感想文を書いた後、4、5回試作を重ねた結果、ほぼ満足できるものが完成しました。

(2013年度 東ティモールスタディーツアー参加者 新田実さん)