PARCIC

コーヒー畑改善事業

コカマウとの深煎りな日々⑪~収穫期

東ティモールでは数年ぶりに6月には乾季が訪れ、コーヒー産地であるマウベシでも各集落で収穫が進んでいます。収穫が早く始まった集落ディリではコーヒーの実をパーチメントの状態までにする一次加工を終え、首都ディリでの二次加工が進み日本への出荷の準備が進んでいます。

ルムルリ集落でのパーチメント集荷の様子

しかしながら、例年であれば収穫が始まってからは雨が降る日が少なくなるところ、今年は7月に入ってからまた雨季に戻ってしまったかのように雨の日が続いています。マウベシ出身のスタッフや農家は、年々乾季が短くなり雨季が長くなってきていると言います。

雨が長く続いてしまうと足場が悪くなって収穫がしづらくなったり、せっかくコーヒーを収穫してもパーチメントの乾燥が思うように進まなかったりしてしまいます。天候に悩まされるのは今年に始まったことではないため、それぞれの集落で工夫をしながら収穫、加工を進めていきますが、気候変動によりマウベシのコーヒー農家の心配事は間違いなく増えてきています。まずはまた雨がやんで強い日差しが戻ってくるのを祈るばかりです。

雨対策をしたアフリカンベッドで乾燥を進めながら晴れの日を待ちます

コーヒー畑の改善事業が始まって3年半が経ちましたが、古くなった木を台きりした畑では新しい枝が育ち、1年目から事業に参加してきた多くの畑で以前より多くの実をつけるようになりました。また、コーヒーの木は種まきから成木になるまで3~5年かかると言われていますが、新しい畑で苗から育てたコーヒーの木も育ってきていて、畑の様子も毎年変化してきています。

モデル農家、エルダウトゥバ集落のジョアンさんの畑にて

今季は新たに22集落50世帯がこの事業に加わり、参加農家は合計287世帯になりました。今年度の新規参加農家への畑の改善トレーニングもほぼ完了し、すでに集落によっては作業責任者が中心となり、トレーニングを自主的に進められているところもあります。まだサポートは必要ですが、積極的に活動を継続してくれている様子を見ると、コカマウ組合の農家の畑の改善に対する意識の変化を感じることができます。

集落で協力しての活動に自信を見せるディムテテ集落の組合員とパルシックスタッフ

収穫したてのマウベシコーヒーを飲みながらこのレポートを書いていると、朝から霧がかかっていてパッとしない天気だったのですが夕方になって晴れ間が出てきました。今年もみなさんにこの美味しいコーヒーをたくさんお届けできるように、まずは天気が回復して収穫が無事進むように願いながらコーヒー畑のモニタリングを続けていきます。

雨上がりのマウベシ事務所から

コーヒー畑の改善事業で制作した動画(全編テトゥン語、英語字幕あり)

前回のスタッフレポートで紹介したコカマウ組合員向けの動画に英語字幕がつきました。YouTubeの字幕機能をオンにしてぜひご覧ください。

1.コーヒーの木の台切り、畑の改善

2. 苗の定植、畑の開墾

3.  2022年の成果

(東ティモール事務所 工藤竜彦)

*この事業はJICA草の根技術協力事業の業務委託を受けて実施しています。

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