非常事態宣言下で物資配布が進まなかった洪水被災者支援ですが、4月23日(木)に急遽、支援協力団体を集めた会議が招集され、4月27日(月)の週から物資の配布を再開することが通達されました。
非常事態宣言は4月26日(日)で終わる予定でしたが、感染者がいまだ24名隔離されており、さらに30日間の延長が決まっています。非常事態宣言下で営業を禁止されたタクシーや乗合自動車の運転手たちなど、ディリで生計の基盤を失った人びとの窮状も報じられるようになり、少しでも早く配布をと、洪水被災者支援事務局を統括する政府の側が動いてくれてことはとてもありがたいです。
4月6日時点での最新のデータは被災世帯数4,800世帯で、このうち2,117世帯(主にベコラ村、ビダウ・サンタナ村、クルフン村)のまだ支援の行き渡っていない被災者へ物資を配布するとのことです。しかしコロナ感染拡大対策をどうとるか、という点を考慮しなければならないため、大勢が一度に1つの場所に集まらないよう、集落長を通じて午前50世帯、午後50世帯に配布対象を分けてもらい、各配布場所へは臨時手洗い場を設置して配布世帯に手洗いを義務付けること、などが発表されました。1カ所での配布数を制限すると複数の車両で複数の場所へ赴いて効率を上げなければならないため、車両や人員の協力要請が各団体へ出され、パルシックからもトラック1台、人員は2~3名で協力することにしました。
この動きを受けて、さらに200世帯分の支援物資の調達&小分け作業を24日(金)から26日(日)にかけておこないました。これまではパルシックのディリ事務所で屋外のスペースも使って小分け作業をしていたのですが、今回は出荷が終わって空っぽになっているコーヒー二次加工場兼倉庫に作業場所を移しました。台所も冷蔵庫もなく、コーヒー倉庫なのに美味しいマウベシコーヒーで休憩をとることも出来ないのは不便でしたが、紫外線を気にせず、広々としたスペースで、もう何度も手伝っていただいているボランティアのみなさんとの作業はとてもはかどりました。
支援物資はいったんすべて洪水被災者支援事務局に運び込みました。そして今日4月28日(火)、パルシックにとって初めて、事務局からの指示に従って午前中にカイコリ村タフ・ララン集落、午後に同村セントロ・ウニダーデ集落への配布に立ち会いました。
配布を待つ被災者のみなさんに加えて、配布要員も複数の団体から大勢が集まり、確かにこのご時世、こうした活動は控えたほうがいいのかなという気分にもなりますが、ひとまずは待ち続けた物資配布が動き始めてよかったです。
今日1日で配布できた物資は500世帯分ほどとのことで、明日以降、被災者の多いビダウ・サンタナ村やベコラ村方面へ移ります。
(東ティモール事務所 伊藤 淳子)
※この事業はジャパン・プラットフォームからの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。