今年度の事業では、簡易的養殖導入の一環として、淡水池のタンニムリプ池にてティラピア稚魚の放流を行いました。ティラピアはスリランカ南部で人気のある魚で、他種に比べ高値で売れるため、漁民にとっても人気です。
先日、2回に分けて15万匹の稚魚放流を完了しました。ふ化場からの納品が大幅に遅れ、何度も催促してようやく放流にこぎつけました。漁民にとっても待ちに待った稚魚の到着です。
稚魚輸送車からホースを通して放流しようとしたのですが、ホースの長さが足りず、急遽、漁民が代用となるビニールチューブを持ってきて、何とか放流することができました。こういうスリランカ人の対応力に脱帽です。
ホースの長さが足りないトラブルは解決したところで、今度は稚魚が輸送車から稚魚を出す部分のパイプに詰まってしまい、それをみんなで取り除くのに一苦労でした。
2回目の放流では1回目のトラブルから学習し、今度は輸送車から稚魚を網にいれて、それを池に運ぶ方法で放流することにしました。
この作業によって、無事に15万匹の放流が完了し、数か月後の収穫を待つことになります。パルシックでは、1回きりの支援で終わらないように、一部の収入を漁協に貯蓄し、その貯蓄で次の放流を漁協自ら行える体制を構築できることを目指して、漁協との話し合いを進めています。
(ムライティブ事務所 飯田彰)
※この事業は、日本NGO連携無償資金協力の助成を受けて実施しています。