2009年5月のスリランカでの内戦終了から3年半の月日が経とうとしていますが、スリランカ北部には、いまだ元の住居に戻れない人々がいます。2012年9月末の国内避難民キャンプ(マニックファーム)の閉鎖で、この10月に帰還したばかりの人々もおり、やっと生活を再開しようとしているところです。
しかし、スリランカ北部は10月半ばから12月末まで雨季に入り、時にサイクロンの影響で激しい暴風雨に見舞われます。10月末にもサイクロンがスリランカを襲い、住宅や道路への浸水、暴風雨による住宅の損壊等の被害が出ました。住宅や道路が整備された地域では、雨水が膝まで浸かったとしても天気が回復すればすぐに元の生活に戻れますが、元々住宅もなくプラスチックシートとココナッツの葉で作られた簡易な仮住まいに身を寄せる人々は、学校や教会に避難して、雨水が引き泥が乾くのを待っています。最後の激戦地となり帰還が遅れたムライティブ県では、今回のサイクロンで543世帯・計1861人の人々が学校等に避難しています。ムライティブ県では、3496世帯の人々が仮設住宅の建設を必要としています。また、一部地域では、この大雨の影響で地雷や不発弾が除去されていない近隣地域の不発弾が住宅近くに流れてきて、大変危険な状況ともなっています。
通常の生活状況であればどうにか対処できる雨・風ですが、住宅もトイレも井戸も何もなく、非常に脆弱な生活環境に置かれた人々にとっては、自然災害から深刻な被害を受けることになります。スリランカの内戦は日本の新聞等ではあまり報道されず人々から忘れ去られつつありますが、今も厳しい状況下で暮らしている人々がいます。どうぞご支援をよろしくお願いいたします。
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(写真は、タミル語ローカル紙、ウデヤン紙ウェブサイトからの引用)