PARCIC

デニヤヤ小規模紅茶農家支援

紅茶便り#14 コンポストセンター完成!!

アーユーボワン!

ついにコンポストセンターが2014年12月26日に完成しました。スリランカの農村らしいのんびりしたペースで、整地作業から含めると4ヶ月もかかってしまいましたが、エクサ(紅茶の有機転換事業に参加している農家からなる生産者グループ)のメンバーのみならず、同地域の人びとから期待の声が聞こえていましたので、デニヤヤスタッフのみんなはホッとしました。

12月26日には地域の人びとを招待して簡単なオープニングセレモニーを行いました。エクサのメンバー、村長さん、地域でいつもお世話になっている政府紅茶研究所のデニヤヤ所長、郡庁の環境保護官、ニルミニ有機紅茶加工工場のオーナーたちが駆けつけてくださいました。さらに、日本からはちょうど「おいしい紅茶のルーツを訪ねる」スタディツアーの一行が到着し、一緒にオープニングのお祝いをしていただきました。

 

オープニングのテープカットは、政府紅茶研究所のデニヤヤ所長

オープニングのテープカットは、政府紅茶研究所のデニヤヤ所長

 

もともと、当事業は農家に牛を配布して、その牛の糞を利用してコンポストを自分で作ってもらい、畑に施肥して土壌改善をしてきました。ただ、子牛が生まれたり、各世帯で働く人の状況が変わったり(牛の面倒を見ていた娘が結婚して嫁いでしまったり、奥さんが病気になってしまったり)して、牛の面倒を見られなくなっている農家がいました。こういった農家の牛をセンターに集めて、そこで世話の一括管理、コンポスト作りをすることで、有機農業を続けたい、もしくは始めてみたい農家の負担を減らすというのが、このコンポストセンタープロジェクトの大きな目的でした。ということで、完成当日の午前中に、エクサのメンバーが牛を連れてセンターに集まりました。10頭ほどがセンターにやって来る予定でしたが、蓋を開けてみると、なんと18頭も集まりました!スタート時点から18頭もの世話をするのは、管理担当者にとっても非常に大変なので、2頭目が欲しいというエクサのメンバーや、新しくエクサに加入し自分でコンポストを作りたいという農家に再配布していく予定です。

 

家にいたお母さん牛(子牛はまだ家にいます)をセンターに連れてきたプレマラトネさんの息子。 家族のような存在の牛と離れるのを寂しがっています。

家にいたお母さん牛(子牛はまだ家にいます)をセンターに連れてきたプレマラトネさんの息子。 家族のような存在の牛と離れるのを寂しがっています。

コンポストセンター建設費を集めたクラウドファンディングを通して協力して下さった鈴木さんと石原さん

コンポストセンター建設費を集めたクラウドファンディングを通して協力して下さった鈴木さんと石原さん

 スタディツアーのチームの皆さんも一緒に記念撮影

スタディツアーのチームの皆さんも一緒に記念撮影

 

牛の管理、コンポスト作りをするのは地域の農家のシリセーナさんとウィマラセーナさんです。彼らはニルミニ紅茶工場で1月19日にコンポスト作り研修を受けました。デニヤヤ地域では約2ヶ月でコンポストが完熟しますので、1回目のコンポスト配布ができるのは3月中旬を予定しています。

 

シリセーナさんとウィマラセーナさんによるコンポスト作りも開始

シリセーナさんとウィマラセーナさんによるコンポスト作りも開始

 

今回、コンポストセンターを建設するためにReadyForを通してご支援くださった皆さまに改めてお礼を申し上げます。今後もこの「紅茶便り」を通して、コンポストセンターの活用の様子、地域への貢献の様子を報告させていただきます。
(デニヤヤ事務所 高橋知里)