*この記事は5月上旬に書かれたものですが、直後にガザの空爆があり、掲載が遅くなりました。ガザでの活動は現在再開しております
マルハバ(こんにちは)!
パレスチナ・ヨルダン川西岸地区ラマッラーから高橋です。
皆さんは「ラマダン」をご存知でしょうか。スポーツの国際大会などで時折話題になるので、聞いたことがある方も多いかもしれません。ラマダンはイスラム教徒にとって日の出から日没までは飲食を断ち、善行を重ねて信仰を深める大切な期間です。今年(2023年)は3月末から4月末までの1か月がラマダンでした。私は今回初めてイスラム教徒が多く住む地域でラマダンの期間を過ごしました。
日中はコーヒースタンドや普段ファラフェルサンドウィッチ、シャワルマを売っているお店が閉店しています。少し高級なカフェやレストランの一部は営業していますが、窓にスクリーンやカーテンをかけていて外から中が見えないようになっていました。食料品以外を扱っているお店や、スーパーマーケット、八百屋、その他その場で飲食しない食品を扱っているお店は普段通り開いていました。ただし、夕方5時になると、これらのお店もほぼ全部閉店し、ラマッラーの中心部の道からは人影がすっかり消えます。「イフタール」(ラマダン中に行われる、日没後の食事)をとるためにみんな家に戻るのです。
初めてこの光景を見たときに、一瞬でラマッラーがゴーストタウンになったのか、もしくは気が付かないうちに世界が終わってしまったのかと、本当にギョッとしました。夕方とはうってかわって夜7時半過ぎからはイフタールを終えた人々が外に戻ってきます。道端には夜店が並び、子どもも大人もわいわいと買い物を楽しんでいました。
4月20日から24日までのラマダン明けのイード(祝祭)の後は、すっかり街の様子も元に戻っています。いつも朝ごはんを買っているファラフェルサンドウィッチ屋さんや、フレッシュジュース屋のおじさん、コーヒースタンドのお兄さんに1か月ぶりに会えてホッとしました。
(西岸事務所 高橋)