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仮設住宅生活支援・農業復興支援

新古里(にっこり)農園開園!

石巻市長浜から引っ越してきて2度目の春を迎えたハマナスの群落[1]は、大輪の花を次々と咲かせ、農園に素敵な香りを漂わせています。震災時には15メートルを超えたといわれる大津波に襲われた十三浜追波地区の野菜畑と2棟のビニルハウス、花畑、古民家風に仕立てたユニットハウスの事務所・加工場兼休憩所を拠点として2014年2月、一般社団法人新古里農園を立ち上げました。毎週金曜日には、農園でとれた新鮮な野菜を仮設団地で販売します。

野菜と一緒に、県外の産地直送の規格外品のリンゴや甘夏、北上の山で採れたタラの芽やシドケといった山菜も並ぶようになりました。また、お弁当の製造販売やじゃがいも団子汁、囲炉裏を使っての味噌焼きおにぎり(味噌は昨年仕込んだものです)など、食品加工も始めました。お弁当には、厳冬期に作った切干大根の煮物、季節の野菜のおひたしや漬物、北上産の米、手作りの岩のりなど地域の食材や地域のお母さんたちのアイデアを取り入れ、より北上らしいものになるよう工夫しています。最近では、地元のお母さんたちの作った手芸品の展示販売を始めたほか、北上地域の特産品であるヨシの手芸品のアイデアや、自分の畑で採れたハックルベリーの加工品のサンプルを持ってくる人、花壇の草取りをしてくれる人、散歩の途中で花を見ながらお茶っこしていく人など、立ち寄る住民さんが増えています。今後さらに、訪れる人たちが楽しめるような農園作りをしていきます。

新古里農園で採れた野菜を素材にしたボリュームたっぷりのお弁当

新古里農園で採れた野菜を素材にしたボリュームたっぷりのお弁当

(復興応援隊 西村 陽子)

[1] 防潮堤工事によって撤去されるハマナス約200株を北上の建設会社の協力で2012年冬に移植した。

※この事業は、ジャパンプラットホームの助成を受けて実施しています。