北上の長かった冬が終わり、農園ではハマナスの芽吹きが始まり、5月に入り新緑の季節となりました。そんな5月のゴールデンウィークの4日間(5月3~6日)、北上町十三浜の新古里(にっこり)農園の休憩所(通称:グリーンハウス)で春のイベントを開催しました。
この休憩所(グリーンハウス)はプレハブ作りではあるものの、中の壁は杉の無垢材の板張りになっており、囲炉裏や竹垣があるなどちょっとした古民家の風情があります。
さらに、昨年末には加工場も併設され、建物が拡充されており、軒下での休憩もできるようになりました。
新古里農園では春の野菜の種まきも終わり、地元の皆さんへの日頃の感謝と仮設からちょっと出て気分転換や地域の人同士で交流を深めていただくために春のイベントを開催しました。
この時期の北上は田植えの真っ最中で“さなぶり”(注1)にはちょっと早いですが、一足早いさなぶり気分を味わっていただければとも思いました。
イベント期間中は休憩所も店舗風に飾り付けしました。地元のにっこりサンパーク仮設住宅に住むお母さんたちの手作りの手芸品や農園で働いているせいこさんの手作りの立派な飾り雛(非買品)も展示され、きれいに飾り付けされました。この手作りの飾り雛は多くのお客さんが「ほしい!」と歓声と上げるほどのすばらしい作品です。
休憩所の入り口ではバザーを始め、花やハーブの苗木の販売なども行われ、初日の10時前から地元の方々が待ちきれずに訪れ、商品を探したり、パルシックの東ティモールのフェアトレードコーヒーやスリランカの紅茶を試飲してゆったりと過ごされていました。
また、お昼前には囲炉裏を囲んでみんなで焼きおにぎりづくりを楽しみ、味噌や醤油の焦げる香ばしい匂いが部屋中に漂い、皆さん懐かしい香りを感じ、昔話など久々に賑やかな会話に弾んでいました。その後に野菜たっぷりのじゃが芋だんご汁も振る舞い、とても盛況でした。
ゴールデンウィークの後半の4日間ということで、地元のお祭りとも重なり来客の少ない日もありましたが、4日間を通して天候にも恵まれ、地元のお年寄りの皆さんを始め多くの方々に来訪していただきました。北上十三浜での野菜作りを通じての支援活動も3年目を迎え、今年からは新古里農園として自立に向けた本格的な活動を開始しています。
これからも地元の北上十三浜でより一層親しまれる農園となり、おいしい野菜を提供していきたいと思っています。
(石巻北上事務所 菅野 芳春)
注1)さなぶり:田植えの終わりに田の神を送る祭り。