PARCIC

仮設住宅生活支援・農業復興支援

北上の食材を使った加工品の製造・販売へ向けて

春から秋まで畑仕事で忙しい時期が続いていましたが、冬の訪れとともに農繁期が終わり食品加工場の稼働準備を本格的に始めました。食品加工場のアイデアは、仮設に暮らし農作業をするお母さんたちの「自分が育てた野菜を使って、お漬物やお惣菜などの加工品を作りたい」という想いと、北上を訪れた人たちからの「お茶を飲む場所がない」、「食事をするところがない」との言葉を受けて、生まれました。

実際、北上にはおいしい海の幸と山の幸がたくさんあるのですが、地元産のものを使った本格お弁当屋さんやお惣菜・加工品のお店がありませんでした。そこで、現在地元のお母さんたちと活動しているにっこり農園の休憩所の隣に簡易な加工場を作って休憩所とつなぎ、食堂兼北上産野菜や加工品の販売所にすることにしました。

工事が進む加工所

工事が進む加工所

畑に参加するお母さんたちと他の地域の道の駅や食堂の視察に出かけ、他のお店から学ばせてもらいながら設計を決めました。誰も経験者がいない中、一から話し合いを重ねて決めるという大変な作業でしたが、どうにか年内には工事を終えられそうです。ふー。年明けには、機材や調理器具を入れ、お母さんたちと作るものを決めていきます。主には、北上産の野菜や海産物を使ったお惣菜やお弁当を販売する計画です。

露地野菜の収穫はほぼ終わり、今採れるのはビニールハウス栽培のつぼみ菜くらい

露地野菜の収穫はほぼ終わり、今採れるのはビニールハウス栽培のつぼみ菜くらい

3月頃には加工場での調理・販売を始めます。北上の豊かな自然の恵みを使って、おいしい食品を作ることで、もっともっと多くの人に『北上グルメ』を食べていただければと思います。

他方、北上の各地域では仮設からの移転の話し合いが続けられており、住民の皆さんはどこでどのような家を建てられるかということを心配しています。慣れない仮設での暮らしも大変なことですが、同時に、高齢になってこれから新しく家を建てるということも、とても大変なことです。

 (西森 光子)