震災後1か月が経った2018年10月に現地入りし、緊急支援の一環として食糧や生活用品の配布を行ってきました。震災後約1年半が経とうとしている現在は支援事業も3期に入っています。今期事業では、仮設住宅資材の配布及び建設支援、子どもの居場所活動、そして女性の生計支援を実施しています。
今回は、女性の生計支援に関わる活動についてご紹介したいと思います。女性の生計支援は子どもの居場所活動を行っている3村(シギ県ソウロウェ村、カラワナ村、ナモ村)で開始し始めました。復興期に入った今、震災によって灌漑施設が被害を受け農業用水の確保が困難になり、特にシギ県の農業は大打撃を受けています。震災前は水田が一帯に広がっていたソウロウェ村の今も鮮やかな緑の稲穂は見当たらず、休耕田と化しています。
復興期に入り、政府や支援団体からの支援が減り、被災者の皆さんが生活のために何らかの収入を得なくてはいけない中、パルシックは村の女性を対象に生計支援を実施することにしました。
1月に入り、各村で事業説明会を行いました。目的や目標を説明しつつ、女性たちと参加意思の有無などを確認しました。
参加を希望する女性たちを対象に研修を行いました。参加者の自主性を尊重し、軽食や菓子、飲み物など作りたい・作れるものを決め、それに基づきグループを作り、参加者それぞれが必要な調理器具や食材をリスト化しました。
各村で研修を行った後、3村の女性たちを一堂に集め、合同研修を行いました。この研修では、これから始めようとする商売を様々な視点から分析をしました。予算を立てて、利益がどの程度出るのかシミュレーションも行いました。電気代や水代などを経費に入れていないことに気づくなど、新しい発見もありました。さらに、会計簿の付け方も学びました。とてもやる気に溢れる女性たちの姿が印象的でした。
女性たちが安心して研修を受けられるように、研修会場で子どもの居場所活動も行いました。
参加者である女性たちから必要な調理器具や食材を聞き一人ひとりと確認し、配布を行いました。
村の女性たちを対象にしたこの生計支援は始まったばかりです。パルシックの生計支援事業を通じて、少しでも収入を得られるようにし、女性たちそしてその家族が震災前の生活に戻れるようにサポートしていきます。
(スラウェシ事務所 飯田彰)
※この事業はジャパン・プラットフォームの助成とみなさまからのご寄付で実施しています。