昨年2020年8月4日、レバノンの首都ベイルート港で大規模爆発が発生しました。核爆発を除く爆発の中では最大規模となり、爆発により少なくとも220人が亡くなり、6,500人が負傷、30万人が住む場所を失いました。世界銀行によると、爆発により38億から45億ドル(約4200億~5000億円)の被害が発生したと言われています。
パルシックでは、爆発発生直後から寄付を呼びかけ、いただいたご寄付で緊急の食糧と衛生用品の配布を行いました。その後もジャパン・プラットフォームを経由した政府資金で食糧や衛生用品の配布、爆発で破損した家屋の補修を行いました。また今月8月からは、国連人間居住計画(UN-Habitat)の支援を受けて、歴史的価値のある建物群の補修支援事業を開始しました。
本集会では、パルシックが実施してきた支援活動の報告に加え、社会・経済状況が悪化の一途を辿るレバノンの現状をお伝えします。
レバノンは、2019年後半に始まった経済危機、2020年2月以降続く新型コロナウィルスの感染拡大、2020年8月のベイルート大規模爆発を経験しました。当時のアディーブ内閣は爆発直後に総辞職し、それから1年以上、正式な内閣が発足しないまま、政治の空白が続いています。
レバノンポンドの価値の大幅下落、失業、水、食糧、燃料、医薬品を含む物価の高騰、燃料不足から生じる電力不足など、人びとの生活への影響は大きく、レバノン人の36%が極度の貧困、78%が貧困状態に陥っている状況です。
また、レバノンは人口に対する難民の受け入れ数が最も多く、人口のおよそ4人に1人が難民です。そのほとんどを占めるシリア難民は、その9割が最低限生きるのに必要な金額以下の生活を強いられ、かつてないほどの困難に陥っています。
レバノンで今、何が起きているのか。人びとはどのような状況にあるのか。
私たちにできることは何か。
レバノン現地駐在員より報告します。
オンラインで開催しますので、どなたでもお気軽にご参加ください。
日時:2021年9月1日(水)19:30~21:00
場所:オンライン(ZOOM)
参加費:無料(要予約)
内容:
1. ベイルート大規模爆発被災者支援の報告
2. レバノンの現在の社会・生活状況について
3. 質疑応答
お申込み:Peatixイベントページよりお申込みください。
https://lebanon2021.peatix.com/
お申込みいただいた方に、別途メールにて2日前までにZOOMのURLをお送りします。
大野木 雄樹 パルシック レバノン事務所代表
2014年10月よりパルシックのパレスチナのガザ支援事業を実施、2015年10月にトルコにおけるシリア難民支援事業を開始と同時にトルコに移動し、それ以来トルコでの事業を担当。2019年4月にトルコでの事業を終了し、現在はレバノン事務所でレバノンのシリア難民支援およびシリア国内事業を実施。
風間 満 パルシック レバノン事務所 プロジェクト・オフィサー
大学でアラブ地域について学ぶ。大学卒業後は一般企業に就職するも、シリア情勢が混迷を極める中、何かできることはないかと思っていたところ、縁あって2019年8月よりパルシック入職、レバノンのべイルート大規模爆発被災者支援事業を担当。
パルシックは、2016年よりレバノンでシリア難民支援事業を開始し、越冬支援、食糧配布、公立学校に通うことが出来ない子どもたちへの教育支援を実施しています。
・レバノンでのシリア難民への教育支援事業(2017年4月~)
・レバノンでのシリア難民への食糧・越冬支援(2016年12月~)
・ベイルート大規模爆発被災者支援(2020年8月~)