震災後、石巻市中心市街地には、東西約10kmに渡り津波で被災した地域が広がっていて、家が流されたり解体されたりした後の更地、ガレキが片付いていない家、1階のみ被災し2階に人が住む家などが混在していました。
地域を回る中で、被災した自宅の2階に寝泊りしながら台所やお風呂のない不自由な暮らしをしている方々や、近くの小学校などの避難所や遠くの仮設住宅から被災した自宅へ通ってガレキの片づけをしている方々など、いろいろな被災者に出会いました。栄養のある温かい食べ物が不足していたり、情報が来なくて本来受けられるべき支援が受けられないという状況も見聞きしました。そのような地域の中の4か所で、コミュニティ・カフェ「おちゃっこ」を開設し、2012年3月まで運営しました。
被災民家を手作りでリフォームし、2011年8月にオープンした「街の駅おちゃっこ」では、コーヒー・紅茶・温かい食事を週5日提供し、餅つきや芋煮会などのイベント、手仕事講座やコンサートなどを開催しました。地域の人たち同士およびボランティアとの交流の場となったほか、利用者の方々からは、「日常の悲惨な光景の中で、ここだけは別世界のほっとする癒しの空間」、「悲惨な出来事に絶望していたが、若い学生との交流によって元気をもらい、生きる希望が湧いてきた」などの声をいただき、さまざまな人たちの憩いの場となりました。
1階が被災した家屋を修復しオープンした「おちゃっこ大街道」
おちゃっこでの工作講座の様子
クリスマスパーティも開きました