PARCIC

コミュニティ復興支援(2012年~2015年)

石巻市北上町の被災集落の復興支援において、高台移転のためのワークショップ開催、かわらばんの発行など、集落としての共同性の再建や住民の絆を生かし、強めていくことのお手伝いをしてきました。

パルシックは、石巻市北上町の被災集落の復興支援において、集落としての共同性の再建や住民の絆を生かし、強めていくことのお手伝いをしたいと考えています。漁業、農業を基盤とするこの地域は、もともと共同体としての絆がつよかったところで住民の相互扶助機関である契約講が今も生きている地域です。津波は、大切な人々の命や住居や生業の道具を奪うと同時にこうした共同性のよりどころの一部をも破壊してしまいました。

例えばこの地域では集落ごとに伝統的な祭りや獅子舞、南部神楽などの文化も根付いています。津波は獅子舞の面や南部神楽の衣装、台本などまで破損したり、流したりしてしまいました。日々の生活の必需品ではなくても集落の大事なよりどころとなる文化を復活させることができるように、行政や資金提供につなげる協力をしてきました。

また被災者は従来の住居跡地に自宅を再建することができず、高台に移転しなければなりません。日本建築家協会や北大・法政大学の方々、地域の行政と協力して、移転先にどのような施設が必要か、どのような集落にしていきたいか、などを話し合うワークショップを開いたり、被災住民への聞き書きをしたりしてきました。住民たちの意志を反映した復興としていくためです。仮設住宅で不自由な生活を強いられながら、高台に住居を建設して生活を立て直すことを待っている被災者は、移転計画がなかなか進まないこと、情報がよく伝わらないことにいら立ちを募らせています。パルシックは、かわら版を作成して、被災住民の疑問への行政の答えを伝える努力をしています。微力な私たちですが、しばしば被災された方々に逆に励まされながら、地域の復興への道筋を生業、生活の支援を含むコミュニティの復興支援として取り組んでいる過程をできるだけ、このホームページでお伝えします。ぜひ一緒にご支援、ご協力いただけますようにお願いします。

震災後発見された獅子頭

高台移転ワークショップの様子

スタッフレポート

「津波の来ない、安全な場所で暮らしたい」集団高台移転

全壊した北上総合支所。指定避難所になっており、報道では57名の住民や職員が避難していたが3名の生存し…