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ジャフナ県の漁村で干物づくり支援(2010年10月~2013年9月)

スリランカ北東部には86,000人もの寡婦がいるといわれており、その多くが北部の内戦で夫を亡くした人たちです。その生活は苦しく、パルシックは彼女たちが干物づくりをして生活を立てていけるよう2003年から支援をしてきました。

スリランカ北東部には、86,000人もの寡婦がいるといわれており、その多くが2009年5月に終結した北部の内戦で夫を亡くした人たちです。スリランカ北部のジャフナ漁村では、大抵の村に寡婦世帯が20〜30世帯あり、彼女たちは村の漁師たちが獲ってきた魚を安価に分けてもらって行商して歩いていたり、復興事業の道路工事などの手伝いをして生計を立てています。その生活は苦しく、パルシックは彼女たちが干物づくりをして生活を立てていけるよう、2003年から支援をしてきました(参照:「内戦復興支援の一歩として干物づくりを開始」)。しかし津波、さらに内戦の再開により、この事業は中断せざるをえませんでした。そして内戦が終わったことを機に、2010年10月から事業を再開しました。

干物の作り方研修の準備のため、2010年10月下旬、干物づくりの専門家を現地に派遣しました。天候から干物づくりの道具まで全てが日本と異なります。スリランカで手に入る包丁は切れ味が悪く魚を開くことが難しいのですが、女性たちはみな器用に干物をつくりました。乾燥の際に寄ってきたハエも虫よけネットで防ぎます。雨が多い雨季の前後で効率的に作業を行うにはどうするかという課題も火で燻す方法を検討したりと、干物づくりが現実的に進み始めました。

終戦後の復興が一気に進んでいるジャフナ。女性たちがつくる干物が地元の市場やコロンボのスーパーマーケットに並ぶ日を目指しています。

魚をさばく女性たち

加工した魚を天日で乾燥

干物づくり支援事業実施地

パルシックの主要な乾燥魚

パルシックの女性グループが作っている主な乾燥魚をご紹介します。

えび

ヴェラナイで生産。ラグーンエリアが年間を通して主要な漁場となるが、漁獲は月の満ち欠けによって左右される。

いか

現在は主にヴェラナイで生産、年間を通してラグーンエリアが主要な漁場となるが、他の地域でも獲れる。

 

いわし

ほぼ全ての地域で獲れ、生産。特にウドゥトゥライ、マナッカドゥが好漁場。

 

小型のいわし(ネッタリ・ハルメッソ)

マナッカドゥが主な生産地。トゥンプライ、ウドゥトゥライでも一部獲れる。(タミル語ではネッタリ、シンハラ語ではハルメッソと呼ばれる。)

 

クイーンフィッシュ(イケカツオ)

スリランカで人気のある大型の乾燥魚。パルシックのすべての事業地で獲れるが、季節によって生産地が異なる。

 

エイ

日本では乾燥魚にはしないが、スリランカでは人気。トゥンプライで主に生産。

 

鰹節

スリランカ南部および隣国のモルジブが主要な生産地となっている。日本人専門家による研修を経てジャフナ内でも生産開始。ウドゥトゥライ、トゥンプライで生産中。