2011年1月初旬と下旬に起こった洪水で、被害の大きかった東部のトリンコマリ県南部を対象に2つの事業を行いました。1つは新学期開始前に文具が洪水被害にあってしまったムトゥール郡の学校16校の生徒3,950人を対象とした、ノートやペンなどの教育用品の配布、もう1つはウェルガル郡、セールウィラ郡、ならびにカンタレー郡で全壊もしくは半壊した家屋合わせて207軒を対象とした、セメントブロックや木材等の簡易住宅の建設資材の配付です。
トリンコマリ県南部の人々は、2004年の津波に加え、2006年からの内戦でも被災し、国内避難民となっていましたが、2008年以降、順次帰還し、一部は土壁にトタン屋根の住宅で暮らしていました。2011年1月上旬の豪雨による河川決壊による洪水で被災し、さらに1月末から2月上旬に再度の豪雨および貯水池の放流により、それまで人びとが住んでいた家、特に、土などで作られた簡易な住宅は、大きな被害を受けました。スリランカ国内最大の流域を持つマハ ヴェリ川流域に位置するこの地域は、洪水の被害に遭いやすい地域にあたります。なので、今回の資材配布では、洪水の被害に強いセメント、ブロックを配りました。土と椰子でできた家に比べ頑丈な家を持つことができることは、住民たちの強い希望でもありました。
1回目の被害後も続いた豪雨により、文具、建設資材ともに配布には時間がかかりましたが、無事に予定通りの物資を配布することができました。学校は2月に無事再開、配布された建設資材も、順次建設され、人びとの暮らしが始まっています。2011年5月に現地を訪問した際は、ブロックで作った基礎部分をさらに ビニールシートや木の枝などで拡張し、キッチンや休憩スペースを作っている人もいました。
(2011年5月)