2019年10月12日に上陸した大型台風により東日本の広範囲で浸水、土砂崩れの被害がありました。ニュースなどでは主に長野県や宮城県の被災地域が報道されていましたが、パルシックでは栃木県出身のスタッフがいたこと、浸水家屋の件数が多かったことから栃木県で調査を行いました。
10月30日から現地入りし、栃木市と佐野市の浸水地域を回ると、道路脇には使えなくなった畳や家具や家電が山積みになっていました。地域の高低差によって浸水の度合いが異なり、川を挟んで片側は浸水し、もう片側は全く被害がないなど同じ市内でも被害の差が見られました。浸水地域では3週間近く経っても片づけが終わらない様子から、被害の大きさがうかがえました。自宅が浸水した方々は現在も避難所や自宅の2階で生活していて、暖房器具が使えなくなっていたり、床下の泥の臭いに悩まされていたりと、今後の生活に不安を抱えていました。これから寒さが厳しくなり、避難生活が長引くと心にも身体にも負担が増えていくのが心配されます。
パルシックでは避難所や市役所、ボランティアセンターなど各所でニーズを聞き、まずは足りてないという物資(土嚢袋や土砂を運ぶ一輪車、マスク、おねしょシートなど)をお届けしました。今後は現地のNPOや地元団体と連携しながら、アクセスしづらい高齢世帯への支援や、流されてきた藁やゴミで使えなくなっている農地復旧のための支援を進めていく予定です。
(栃木担当 小山 弥里)