PARCIC

女性の生活向上支援

マウベシ女性グループ、ハチミツ加工で得た収入を…。

ボンディア(おはようございます)!東ティモールは現在、雨季の真最中。ディリ⇔マウベシ間の幹線道路はアスファルトで舗装され、車の運転し易くはあるのですが、ところどころ土砂崩れ、また土がえぐれて道路が落っこちてしまっています。気をつけないと落ちてしまいそうです。危なそうな箇所は経験で分かっているので減速して通ります。今日は赤土交じりの水が滝のように山から流れていて焦りました。

さて、昨年は気候も安定、コーヒー大豊作の一年で、それもあってかハチミツもたくさん取れました。一昨年はコーヒーの裏作年、市場に出回る量も非常に少なかったのです。マウベシ女性グループのひとつ、ハトゥカデ集落の女性たちはハチミツ加工をたくさん行い、未だかつてない大きな収入を得ることが出来ました。女性たちはハチミツを“ハニーハンター”と呼ばれる収集者から購入、発酵を止めるため火入れをし、ろ過、瓶詰め加工を施し、約5か月間で1394本を出荷しました。このグループ、団結・結束力が抜群で、みんなで協力し、よい品質で少しでも安いハチミツを購入するためには努力を惜しみません。そして今年は一人当たり約250ドルの収入を得たのです。

ラベル貼りの風景

ラベル貼りも真剣

 

みんなで協力!

みんなで協力!

ハチミツで得た収入を女性たちは一体何に使うのか、興味津々だった私は、先日ハーブティの納品にマウベシに来たハトゥカデ女性グループのメンバーに聞き取りをおこないました。

グループリーダーでもあるローザさんは、子供10人。首都ディリにある国立大学に進学する娘に200ドル与え、その他小学校に通う小さな子供たちのへの文具、高校生に通う子供にはユニフォーム代として35ドル与えたそうです。

おとなしくも真面目に仕事をこなすフランシスカさんは、子供8人。はにかみながらも誇らしげにソーラーパネルとそのバッテリーを購入したとのこと。計62ドル。残りは子供たちへの学費や文具代、子豚を購入し冠婚葬祭に備えて育てるとのこと。こちらでは冠婚葬祭には香典や祝儀代わりに家畜を献上するのです。しっかり者なので、残った20ドルは食べ物に困ったイザという時のために取っておくそうです。

そして最後にとっても驚いたのはフィロメナさん、子供9人。ハチミツ収入からは100ドル、今年のコーヒー収入から900ドル、ディリの国立大学に通う一人に合わせて何と1000ドルを与えたというのです。コーヒー農家の平均年収は500ドルといわれています。その2倍。しかし、ディリで大学に通うにはそれなりにお金がかかるのでしょう。その他、小学生に文具代、そして家族の食費、メス豚を25ドルで購入、赤ちゃんを増やしたい、と言っていました。

母は強し。お母さんってすごい。自分のためには一銭も使わず、すべては子供のため。しかし1000ドルは大金です。子供たちよ、しっかり勉強しなくちゃバチが当たるぞ、と心底思いつつ「私に子供がいなくて本当に良かったわよ」とメンバーに本音を言うと、ドッと笑いが起こりました。

(東ティモール事務所 大坂智美)