PARCIC

自然・文化

Viva! Joga Bola!


皆でサッカー観戦をしている様子
(マウベシ)

FIFAワールドカップ、日本ではどのような盛り上がりをみせていますか?東ティモールはまだナショナルチームありませんが、連日大いに盛り上がり、日々の話題はまずJoga Bola(サッカー)!うちにはテレビがないけれど、深夜のスタッフからのミスコール(ワンギリと言うやつ)で、日本が勝ったのだな、と予測。翌日には行く先々で、ジャパウン!おめでとう!と声をかけられ、日本が勝ったのだな、と確信。日本は同じアジアの国、たとえ最終決戦には残れないとしても(ちょっと失礼)、俺は日本を応援する!とパルシックのスタッフ。

首都ディリでは政府庁舎に大きなスクリーンが設置され、毎晩たくさんのひとが訪れています。普段は夕方6時から12時までの6時間しか電気のないマウベシでも、この時ばかりは明け方まで電気が煌々と灯り、スクリーンを設置して、まさに国を挙げての一大イベントなのです。そしてワールドカップがここまで盛り上がるもう一つの理由は、毎回どちらのチームが勝つか予想して、お金を賭けているんです!独身気ままな長老スタッフは、一回に10ドルも張る。今日儲かっても、明日は負ける、賭け事なんかしない方が賢明だと、いくら言っても聞く耳をもちません・・・。

夕飯を済ませた夜8時過ぎのマウベシ事務所。テレビのない私たち、向かうは野外ビックスクリーン。普段は口数の少ないスタッフも、夜になると饒舌になり、うきうきしてきます。奥さんに許しがもらえず悶々とした週末の夜を過ごしている所帯持ちの彼は、マウベシで過ごす平日は奥さんの目も届かないので、ここぞとばかり一段と張り切るのです。厚着して、時にはコーヒーまで持参、道すがらキオスでタバコや飴を買い、携帯電話の光を頼りに、暗い道を歩くこと15分。そこでは私たちと同じように自宅にテレビのない人が大勢集まっています。

立ったり座ったり、毛布に包まったりして、寒い野外の星空の下、皆で寄り添って観るサッカー。一家に一台のテレビ、にはまだ遠い道のりですが、こんなささやかな幸せもいいなぁと、ふと思うのです。

(パルシック 栗栖奈津美)