2017年。東ティモールの選挙年がいよいよ始まりました。大統領選挙が3月に、国政選挙が7月ごろに予定されています。
これまで水面下で動いていた政治活動も、先日開始された大統領候補者の登録で徐々に表に出てきました。最も注目すべき点は、蜜月状態で現政権を担っているシャナナ・グスマン氏と野党フレテリンの関係、そして新政党PLP(民衆解放党:Partidu Libertasaun Popular)が、今年の選挙で現政権にどこまで切り込めるかです。
シャナナ氏率いる政党 CNRT(東ティモール再建国民会議:Conselho Nacional de Reconstrucao do Timor)からは大統領候補を出さず、シャナナ氏はフレテリンの大統領候補 Francisco Guterres Lu Olo 氏の支持を表明しました。シャナナ氏は、取巻きとして以上の能力を発揮しないCNRT党員に幻滅してフレテリンと手を組んだと思われ、有権者の3割を支持基盤として堅持しているフレテリンとシャナナ支持者とで、過半数を取るのはほぼ確実と思われます。
タウル・マタン・ルアク大統領が2016年2月に国会でシャナナ氏とフレテリン書記長マリ・アルカティリ氏を名指しで批判して以降、タウル大統領への支持に傾いてシャナナ氏から連立を解かれたPD(民主党:、大統領候補はAntonio ‘Kalohan’ da Conceicao 氏)は、大統領選はともかく国政選挙ではPLPと組むだろうと予測されます。PDもPLPも、40代が中心の次世代政党です。そしてタウル大統領が、これら若い世代とともに国政選挙に打って出るのではないか、という公然の噂もあります。
3月3日から17日までの大統領選挙キャンペーンがいよいよ始まりました。早速、民主党とフレテリンの支持者は小競り合いをしたりと熱くなっています。それを諌めるルイ首相が「選挙は民主主義の祭典だ。- Festa de Democrasia 」と発言。どうりで熱くなるわけです。
3月20日の大統領選挙では、フレテリンのFrancisco Guterres Lu Olo 氏が4回目の挑戦で初当選する、というのが大方の予測です。その後予定されている国政選挙で、旧世代のリーダーたちに次世代がどう挑戦するか、注目していきたいと思います。
(東ティモール事務所 伊藤 淳子)