PARCIC

コーヒー生産者支援

コーヒー生豆、ディリを出港しました!


コーヒーを積んだコンテナが港に運ばれます
(12月1日)

ディリ港は交通渋滞。
出荷予定の貨物船はまだ沖で順番待ち
(12月4日)

2011年のコーヒー豆が12月8日、ようやくディリ港を出ました。不作に泣いた2011年、アラビカコーヒーの出荷量はわずか9トン。20フィートのコンテナには満載で18トン積めます。コンテナの半分に空気を積んでの出荷は心寂しいものでした。

一方、ロブスタコーヒーは出荷量28トン。コンテナ2本を仕立てました。アラビカの不作と価格高騰に見舞われた今年、ロブスタの強靭ぶりは一層際立ちました。

世界中でコーヒー価格が高騰し、コーヒー産国としてはまだ知名度の低い東ティモールにも、安いコーヒーを求める新規バイヤーが今年は次々と現れました。インド、シンガポール、韓国。どこもアジアの国々です。買付を請け負ったのはわたしたちがコーヒーの二次加工を委託するナクロマン社。なるべく経費を抑えるために選別などの手間を省いて…という工程をのぞき見させてもらい、なるほど、コーヒーにもいろいろあるのだと学ばせてもらいました。

東ティモールのコーヒーは実物の評価と比べて高すぎる、それは効率の悪い東ティモールでのコーヒー産業が支援と抱き合わせで維持されているからだ、という声も聞きました。これもなるほど、と思いました。東ティモールでコーヒーに関わって10年、東ティモールから世界のコーヒー市場を眺めることに必死で、世界から東ティモールのコーヒー産業を俯瞰することを忘れていると気づかされました。

コーヒー畑で赤い実を摘むところから始まって、見慣れたコーヒー生豆になるまでには気の遠くなる手間がかかっていることを知ったときの衝撃は、毎年コーヒーシーズンが来るたびによみがえります。東ティモールを出発したコーヒーは今頃、日本を目指して北上しています。世界のコーヒー市場に切り込むには心許ない量ですが、世界中の丹精込めてコーヒーを作る人びとと誇りを分け合えるコーヒーとして、堂々と航海していることと思います。入港は年明けです。東ティモールから日本のみなさまへの新年のご挨拶代わりに、どうぞカフェティモールをご賞味ください。

(パルシック 伊藤淳子)