PARCIC

コーヒー生産者支援

東ティモールコーヒー、大不作!


「グループ運営になって参加メンバーが増えた」と嬉しそうなルムルリ集落のベルナルドさん

スタッフから品質へのダメ出しを受けて悲しそうな男の子

東ティモールではコーヒーの収穫が始まっています。しかし昨年の長雨の影響で今年は「大」の字がつく不作です。生産者もあきらめモードで心なしか盛り上がりに欠けています。

コーヒーの国際市場価格は暴騰し、東ティモールでも昨年の倍以上の価格で熾烈な買取り競争が繰り広げられています。International Coffee Organizasion(ICO)のウェブサイトでコーヒーの国際市場価格の変動をみてみると、2001年から今日まで、ひたすら上がり続けています。もう今年などは過去20年間で記録したことのない高値です(6月の平均でキロ当たり6.05ドル)。フェアトレード・ラベル認証団体(FLO)が定めるコーヒーの最低保証価格はキロ当たり2.75ドルで、2008年以降、国際市場価格の方が上回る状況が続いています。

こちらとしては最大限頑張って高品質のコーヒーへの対価を提示するのですが、「値段はいいのになぁ、コーヒーがないんだよ」と、生産者の方はやはりどこか元気がありません。もっと喜んでもらえると思ったのに拍子抜け。そんなこと言わないで、1キロでも多くいいコーヒー作って、と励ましても「収穫に行ってもボテ(農作業に使うカゴ)一杯にしかならない」と笑い飛ばされます。確かに、これから収穫という畑が収穫後のようにきれいです。深刻です。

マウベシでは比較的日当たりのよい4つの集落でコーヒー加工が始まりました。今年2月に、組合役員6名が年度収益以上の金額を利益報酬として分け、コカマウ役員は組合員からの信頼を失いました。5月に集落ごとのグループ運営に移行することを決定し、各グループに活動資金を返還して挑む、はじめてのコーヒーシーズンです。活動資金が身近なところに戻ってきてやる気満々のグループがあれば、すでにあやしい雲ゆきのグループもあります。資金が足りないのでこれまでの共同加工をやめ、脱肉だけ共同加工場でしたあと、それぞれの家に持ち帰って水洗い、乾燥をするというシステムに移行したグループもあります。収量に期待できない分、それぞれのグループでの工夫に期待したいと思います。

(パルシック 伊藤淳子)