PARCIC

レバノンでのシリア難民への食糧・越冬支援

皆さまのご寄付で越冬物資を届けました~アルサール越冬キャンペーン終了報告~

2019年11月から実施していたアルサール緊急越冬キャンペーンが終了しました。

第1回の配布については既報の通りですが、その後も皆さまからの温かいご寄付をいただき、3月13日に追加でアルサール市のアルマスリーキャンプとサーメルキャンプの143世帯(約715人)に灯油20Lの配布を行うことができました。

今年の3月のアルサールは、徐々に気温が上がってきてはいましたが、それでも朝は0度になる日もあります。周りに風を遮るものも少なく、冷たい風が吹きつけるアルサールにおいて、テントで生活するのは容易ではありません。

さらにこの時期は、2月21日にレバノンで初めての新型コロナウイルス感染者が確認されて以降、徐々にウイルスに対する不安が高まっていた頃でした。2月29日には学校が閉鎖され、徐々に新型コロナウイルス感染が多く発生している地域からのフライトもキャンセルされはじめていました。そのため、3月13日の配布に際しては、難民キャンプに感染が拡大しないよう、配布作業員はマスクや手袋をするなどして安全に配慮した上で配布を行いました。

20Lのポリタンクはかなり重いです。力強い人が多いように感じます。写真は現地提携団体URDA提供

20Lのポリタンクはかなり重いです。力強い人が多いように感じます。写真は現地提携団体URDA提供

持ち帰ることが難しい方には、自宅まで配布ボランティアがサポートします。写真は現地提携団体URDA提供

持ち帰ることが難しい方には、自宅まで配布ボランティアがサポートします。写真は現地提携団体URDA提供

レバノンでは先日の報告でもお伝えした通り、既存の経済危機と新型コロナウイルスによる社会・経済的危機に見舞われています。しかしそれ以前から、レバノンにおいて難民生活を強いられているシリア人は、食べ物を買うのですら借金をしなければならず、十分に栄養摂取できていない状況でした 。そのような脆弱性の高い人びとにとって、灯油を買い、更に衛生用品も購入することは、非常に難しいことです。実際、同じアルサールの別のキャンプにおいて今年3月にとったアンケートでは、100%の回答者が「灯油が役に立った」としており、私たちが行う灯油などの配布を行う越冬支援の重要性を改めて実感しました。

そして、今回の配布は皆様からのご支援があったからこそ実現できたことです。今一度、ご支援くださった皆さまに感謝を申し上げます。

本来であれば、3月に私自身もアルサールの配布に同行し、2月に行った1回目の配布をした世帯へモニタリングを行い皆さんの声を届けたいと思っていましたが、外出禁止令の発令により訪問が叶わなくなってしまいました。また訪問出来る日が来ましたら、現地の様子を直接お届けしたいと思います。

パルシックでは、2020年4月以降もアルサール市において食糧面での支援事業を継続して行います。引き続き、ご関心を寄せていただけたら幸いです。

アルサール越冬キャンペーン(2019-2020) 配布報告

募金総額: 152万7,515円(120件)
灯油:20リットル × 243世帯(総量 4,860リットル)
毛布:3枚 × 135世帯(総数 405枚)

(レバノン事務所 風間)

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