PARCIC

レバノンでのシリア難民への食糧・越冬支援

皆さまのご寄付で灯油を届けました!~アルサール越冬キャンペーン2020 終了報告~

2020年10月から実施していたアルサール越冬支援キャンペーンが終了しました。

パルシックは、現地提携団体URDA(Union of Relief & Development Associations)と共に、皆さまからいただいた大切なご寄付を活用し、2021年2月と3月にアルサールに暮らす避難生活を強いられているシリア人の方々へ、灯油の配布を行いました。

冬の寒さに負けず外で遊ぶ子どもたち。

手前と奥の丘の上にある白い建物は全てシリア難民キャンプです。

今年の冬は、幸いにも例年より大雪や大雨の回数が少なく厳しい寒さになりませんでしたが、朝と夜の気温は常に0度前後まで下がったため暖房用の灯油は必需品でした。皆さまからいただいたご寄付で、今年は160世帯(ザハラキャンプ26世帯、サイードキャンプ24世帯、アブラールキャンプ110世帯)への灯油を2か月間配布いたしました。

今年は、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で、冬の間外出禁止令や移動制限が課されたため、配布のための特別な許可の取得や、灯油業者やスタッフとの配布日程調整に時間がかかり、配布が2月までずれ込んでしまいました。3月の最後の灯油の配布では、配布が遅くなり申し訳ない気持ちでしたが、配布を受けたお母さんたちから、「朝と夜はまだ寒く、夜はストーブの灯油がないと寒くて寝られない。朝起きて温かい紅茶やコーヒーを淹れるにも灯油がないとストーブでお湯が暖められないので、灯油の配布に感謝している。」という声をいただきました。

もともと野原や畑だった場所にキャンプが立てられたため、水はけが悪く、雨が降るとすぐ水溜まりとなり、今年は一度テントにも雨水が入ってきた日もありました。

配布された灯油をテントに持ち帰る様子

寒さは徐々に和らいできていますが、新型コロナウィルスの影響は当分続くことが予想され、加えて経済悪化による物価上昇の影響で、多くのシリア人が食糧不足の状態となっています。活動自体が難しい状況ですが、パルシックとしては、現地のニーズ調査をこれからも続け、皆さまからいただくご寄付および助成金等を活用し、一人でも多くのシリア難民世帯に支援を届けたいと思っています。

配布の様子

配布場所にいすを並べ、接触を避ける配慮をしての配布する様子。配布スタッフは防具服も着用しています。

現在アルサール市では、教育事業も行っているため、これからも定期的に現地の様子を報告し、パルシックの活動を知っていただければと思っております。

アルサール越冬キャンペーン(2020-2021) 配布報告

募金総額: 142万9,808円(117件)
灯油:160リットル × 160世帯(総量 25,600リットル)

(レバノン事務所 大野木 雄樹)

関連プロジェクト