1年で最も暑くなる7月。35度を超える真夏の日差しの下、子どもたちの笑顔に迎えられ、シャンルウルファ市郊外の村での電子バウチャーの配布を開始しました。
シャンルウルファ市の中心部を少し離れると、広大な農地が続き、その所々に大小さまざまな村が点在しています。それらの村々には、移住先・仕事を求めてやってきたシリア人世帯がトルコ人の所有する土地、建物内で農作業をし、生活を送っています。過去5年間、それらの村々に住むシリア人世帯に対する支援はほとんどなく、我々にとっても今回の支援が実際に彼らのもとに届くことは悲願でした。
登録作業は食糧支援の経験が豊富なシリア人スタッフを中心に、各村のリーダー(モクタール)や協力的な村の人びとのサポートを受けながら、一軒一軒を回っての作業となりました。ちょうどこの登録作業がラマダン月と重なっており、シリア人スタッフ達にとっては断食をしながらの訪問となりましたが、少しでも早く支援を届けようと、最後の一軒まで粘り強く回ってくれました。
そして、ラマダン明け後の祭日から数日経った7月12日、いよいよ各世帯への電子バウチャー配布の準備が整いました。配布の際も、混乱を避けるために一軒一軒を回ります。登録時の情報に変更がないかの確認、電子バウチャーの利用方法、電子バウチャーの利用できる店舗の案内を、スタッフがそれぞれ役割分担して、できるだけ支援対象者にとってわかりやすいように説明しました。電子バウチャーを手にした人びとからは繰り返し「ありがとう」という言葉をいただきましたが、配布を担当しているのも同じ難民であるシリア人スタッフです。
今後、彼ら自身の手で生活を営んでいけるよう、引き続き支援していきます。応援をよろしくお願いいたします。
(シャンルウルファ事務所 宮越)
※この事業はジャパン・プラットフォームの助成と、皆さまからのご寄付で実施しています。