10月半ばに実施した食糧バウチャー登録申請では、517世帯の申請を受け付けましたが、その後、配布世帯を選定するため、全世帯を訪問し、登録の際に記載された情報と実際の状況との照合を行いました。その結果、対象地域であるハラン市に居住していることが確認され、その中でも特に厳しい状況に置かれている209世帯を選定し、11月4日に食糧バウチャーの配布を行いました。
さて、バウチャーを受け取った各世帯が実際に食糧等を購入できるようにするには、まずバウチャーへの入金が必要となります。前号の記事でも少し触れましたが、食糧バウチャーの仕組みは、プリペイドカードのそれと似ています。毎月一定額がバウチャーカードにチャージされることにより、提携先のスーパーマーケットにおいて、各世帯が必要な時に必要なものをカードで購入できるようになります。
そして今回、11月16日に第一回目の入金を行いました。各世帯の入金月額の内訳は、食糧購入用として45リラ(2,000円)× 家族の人数、衛生品購入用として一律40リラ(約1,700円)です。
入金前日には、各世帯の携帯電話にショートメッセージを送り、入金のお知らせをしました。
一方、提携先のスーパーマーケットに対しては、食料バウチャーでの購入に際し、むやみに値段を上げることのないよう、事前に金額の確認を行いました。また、アルコールやタバコ、チョコレート、アイスなどの嗜好品は対象外であるなど、今回の食糧バウチャーでの購入対象品についても再度説明しました。
そして迎えた入金日当日。提携先のスーパーマーケットを訪ねると、この日を待ちわびた多くの家族の姿がありました。皆それぞれ、食糧品や衛生品など、思い思いの品をたくさん買い込んでいました。
そして、レジでの支払いの際には、同じシリア難民であるスタッフが大活躍しました。初回ということもあり、またこの地域では今までに同様の食糧バウチャーを通じた支援が実施されてこなかったため、その場で使い方を実践しながら説明しサポートしました。
これから2月までの4か月に渡って、毎月食糧バウチャーへの入金を行います。このバウチャーを使って、それぞれの家庭が自分たちに必要なものを購入できるようになることが、少しでも日々の生活の助けになることを願っています。
(シャンルウルファ事務所 大野木)
※この事業は、サポート・トゥ・ライフ(Support to Life)の協力のもと、ジャパンプラットフォームの助成により実施しています。
https://www.japanplatform.org/programs/syria-iraq-conflict2015/