2023年2月6日のトルコ・シリア地震から8カ月ほど経ちましたが、シリア北部では震災前から続く紛争による被害もあり、復興はまだまだ時間がかかりそうです。紛争下にあるものの、しばらく治安は安定していましたが、10月上旬からシリア北部で空爆が頻繁に発生し、住民の中には別の地域に避難する人も多く混乱が続いています。
パルシックは、震災直後からシリア北部で被災者支援を行ってきました。最近の活動としては、震災で使えなくなった給水施設の消毒用のポンプを交換したり、今年の冬が終わるまでに必要な量の消毒用塩素を購入したりするなど、シリア北部での衛生環境改善のために皆さまからの寄付金を使わせていただきました。シリア北部では、去年からコレラが発生していますが、消毒用ポンプの修理と塩素消毒液の配付により、コレラの罹患率は大幅に減少しました。
また、シリア北部では10月からオリーブ収穫のシーズンが始まりました。シリア北部はオリーブの有名な生産地で、多くの農家が生活収入をオリーブの収穫に頼っています。しかし今年は、より収入の良い、震災で破損した家屋の修復や新たな家屋の建設に人手が取られてしまい、オリーブ収穫の人手が不足しています。そのため、オリーブ農家は、寒い冬が到来するまでにオリーブの収穫を終えることができるか、とても心配しています。そこで、パルシックでは皆さまからの寄付金で、オリーブ収穫の人手を雇い、500世帯近いオリーブ農家の収穫の支援を行っているところです。
これからも皆さまからいただいたご寄付で、震災で影響を受けた人たちがどんな支援を必要としているか、声をよく聞き、現地提携団体と一緒に、不足している支援を届けていきます。
(トルコ駐在 大野木)
*この活動は皆さまからのご寄付で実施しています。