トルコ・シリア地震の発生から4か月が経過しました。現在、パルシックが活動拠点としているカフラマンマラシュ市内では、崩壊した建物の撤去がかなり進み、被害の大きかった旧市街地のマーケットには、コンテナが立ち並び、震災による被害を受けたお店がコンテナで営業を再開し始めました。
もちろんこれらのコンテナは、一時的な措置であり、更地になった場所には新しい建物の建設が始まり、被災したお店も修復される予定です。政府は同時にコンテナよりもっと大きな店舗の建設も行っています。建設終了時には、コンテナの仮店舗の一部も移動する予定です。地震からの復興が進む一方で、今回の震災の規模がとても大きかったことから、市内にはまだテント暮らしの人たちも1万人以上います。その人たちのテントからコンテナの仮設住宅への移動の目途はまだ立っていません。
3月後半からは、カフラマンマラシュ県庁と共同で活動を行いました。もともと震災以前から政府から社会福祉支援を受けていた世帯と震災後に支援が必要となった世帯のうち、住宅の被害が大きくなかったため現在も自宅に暮らしている在宅被災世帯に、食料の配付を行いました。テントやコンテナに移動した世帯は、国連やNGOからの支援を受けていますが、自宅に滞在している世帯には支援が行き届いていませんでした。地震により、県外に移動した人も多くいましたが、避難先で仕事が見つからずに戻ってきている人もいると聞いています。地震により仕事を失うなど、もともと経済的に困難していた家族の生活はより厳しくなっているため、カフラマンマラシュ県庁と調整し配付を決めました。
また震災当初は市内のガスが止められてしまい、調理ができない状態だったため、ガスボンベも一緒に配付しました。現在市内ではガスは復旧しましたが、郊外ではガスが各家庭まで供給されず、ガスの値段も上がり、購入するのが難しい世帯も多いため、ガスの多くは市郊外で配付しました。
市内を中心に支援を行っている団体が多いため、支援物資が郊外の村に配送されたときは、ようやく支援が来たと、喜びの声を多く聞きました。トルコ政府は復旧、復興を急ピッチに進めており、それに合わせて人びともテントからコンテナの仮設住宅へ、さらに新築の家へと移動しており、人の流動性は当分落ち着くことはない状況ですが、日々変わる現場でのニーズに応えられるよう、一日も早く、被災者の方たちが、また元の生活に戻れるようこれからも活動していきます。
(トルコ事務所 大野木)
この事業は、ジャパン・プラットフォームの助成で実施しています。