PARCIC

トルコ・シリア地震被災者支援

トルコ・ハタイ県での支援活動

トルコ・シリア地震の発生から1か月が経過しました。この間にトルコでは皆さまからのご寄付を地震で被災した人たちへの物資配付に使わせていただきました。これまでガジアンテップ市郊外に住むテント世帯から、カフラマンマラシュの郊外に住む世帯、ハタイ県のシリア国境付近の村へと、支援の要請をいたるところから受けては、物資を調達し配付してきました。

ハタイでの支援の窓口となってくれた女性組合のファティマさん(右)と支援物資を運んでくれたドライバーのエムレさん(左)

配付した下着、オムツ、生理用品など

先日ハタイ県に支援物資を配付した際に、被害がとても大きかったハタイ県の中心地を訪問しましたが、あまりの被害の状況に言葉を失ってしまいました。ハタイ県には約200万人の人口がいましたが、約130万人が被災し、約80万人が家を失ったとされています。 ハタイ県の郊外のそれ程被害は見受けられないような場所でも、たくさんの崩れた建物を目の当たりにし、自分たちの家も危ないのではないかという不安から、多くの人たちが家の庭などにテントを設置していました。 家を失った被災者は、まずは家族や親戚がいる場所に引っ越し、行く場所がなければ、政府が設置した避難キャンプに移動するなど滞在場所を確保していました。

ハタイ県に向かう道中。いたるところに非常用のテントが張られていた

ハタイ県で配付を行った場所は、比較的建物の被害が小規模だったため、被害の大きな県庁所在地のアンタキヤから、多くの人が何も持たずに避難してきていました。着の身着のままで避難してきたため、服や靴の支援が必要ですという声を多く聞きました。洗濯機や手洗い用品もそろっていないため、洗濯が出来ず下着などは使い捨てていました。

ハタイ県だけでなく、訪問先やガジアンテップ県内でも、多くの人が、地震発生後、携帯と財布だけをもって、靴も履かずにスリッパで急いで外に逃げて、それ以後家に戻っていない人たちもいるため、靴が必要なのだと、話を聞いていく中で分かってきました。

物資の配付が行われるテント。毎日、3~400人が利用しているという

テントの中の様子。必要なものを受け取れる仕組みになっている。震災直後から毎日ボランティアが仕分けし、テント内の物資の整理を行っている。警察も現場の安全管理を行っていた

今回の地震では被害規模が大きく広範囲にわたるため、まだまだ建物の取り壊し、そして瓦礫の撤去にも時間がかかりそうです。同時にトルコの約200万人の被災者はテントやコンテナの一時避難所で生活をしているため、避難生活を送る人たちの生活環境も早急に整えていく必要があります。一時避難所のスペースの確保から、避難所内でのインフラの整備も必要なため、現在トルコ政府、国連、NGO等が連携して各地域のニーズを共有し、迅速にそして効率よく支援が行き届くように調整を行っています。

ガジアンテップのほうからちょくちょくと物資が届いていた

コンテナの仮設住宅の設置準備が行われていた

パルシックも現在、カフラマンマラシュ市役所からニーズの聞き取りを行い、食料バスケットを在宅被災者に配付する予定です。それだけでなく、以前のトルコでの活動で構築したネットワークを活かして、支援が何らかの理由で届いていない世帯の声も拾い活動を行っていきます。

引き続き、ご支援をよろしくお願いいたします。

トルコ・シリア地震緊急支援 寄付ページへ

(トルコ駐在 大野木)

*この活動は皆さまからのご寄付で実施しています。

 

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