PARCIC

トルコ・シリア地震被災者支援

地震発生から3週間が経過しました

トルコ・シリア地震の発生から3週間が経過しました。

この間、本当に多くの皆さんにご寄付や応援のメッセージをいただき、心より感謝申し上げます。チャリティバザーを開催していただいたり、焙煎店の店頭に募金箱を設置いただいたり、またSNSで寄付を呼びかけていただいたりと、様々なところで支援の輪が広がっています。

これまでいただいたご寄付で実施している活動をご報告します。

シリアでの支援

シリアでは、緊急度の高い医療品の配付をまず行いました。現在は避難所に避難している世帯への毛布やマットレス、衛生用品、ストーブなどの調達を進めています。

調達した医療品を倉庫に運ぶ様子

医療品を確認する提携団体スタッフ。医療品は病院と透析センターに届けました

シリアは長引く内戦により経済状況はかなり悪化しており、市民の多くが生活基盤が整っておらず苦しい生活を続ける中で今回の地震が発生しました。

現地提携団体のスタッフの中には家族を失うなど辛く悲しい思いを抱えながら、何とか災害対応を続けるスタッフもいます。

提携団体が実施した調査によると、これまで経験したことがない大きな地震により、多くの子どもが不安を抱え睡眠不足になっている、子どものみならず大人も不安やストレスを訴えているとのこと。物質的な支援のみならず心のケアも非常に必要とされています。

シリアでは数あるニーズの中で何が出来るか、何を優先的に取り組んだ方がよいか、提携団体と日々話し合いながら活動しています。

トルコでの支援

トルコでは提携団体が実施する食料配付に同行しながら災害状況とニーズの把握を進めてきました。

カフラマンマラシュ県の被災した住宅

発災から3週間が経ち、瓦礫の撤去作業が続いています

2月16日付で、トルコ政府が実施した罹災調査により、住居の安全性が確認された被災者は公共施設などの一時避難所から自宅に戻るように、安全性が確認されず自宅に戻れない被災者は一時避難所からトルコ内務省災害緊急事態対策庁(AFAD)が用意した一時宿泊センター(Temporary Accommodation Center:TAC)に移動するよう通達がありました。

パルシックは、当初、住居の耐震性を心配し、車、学校、モスクや駅などの一時避難所に避難している被災者に加熱しないでも食べられる食料や生活用品の配付準備を進めていましたが、この通達により多くの被災者が自宅に戻る、あるいはTACに移動したため、現在は、自治体と連携して別の支援に切り替え準備を進めています。

同時に、支援から取りこぼされている世帯への物資配付を行っています。 トルコに住むシリア人は県を越える移動には政府から事前に許可を得る必要があります。よりよい生活を求めて他県へ移動した人のなかには、その許可をとること自体が困難(手続きのために登録所にアポイントをとってもキャンセルされるなど)で、許可をとらずに移動した人たちもいます。

そのため、許可を得ずに移動していたシリア人が、滞在許可書に記載されている住所と違うことが政府に知られて、以前住んでいた県に強制的に戻されるのではないかと恐れて、政府からの支援を受けられていないという状況に陥っています。それ以外にも各々の事情により支援から取りこぼされる人たちがいます。

元パルシックスタッフのシリア人や提携団体スタッフを通して、そういった事情により支援を受けられない世帯からの支援要請が届き、食料、マットレスや毛布、日用品などを届けています。

発災直後は大きな商店が開いておらず、小さな商店で物資を調達しました

カフラマンマラシュの郊外にあるチーズ工場に避難するシリア難民の子どもたち

物資を調達する様子

調達したマットレス

家が倒壊し市外の空き地にテントを設置して避難生活を続けるシリア難民

今夜からマットレスで寝られるとうれしそうに微笑むファーディ

トルコでは被災者が他県に移動したり、政府の新たな方針が示されるなど日々変化する状況とニーズにどのように対応するか、その都度提携団体や市役所、関連団体と調整を行っています。

これからも定期的に現地の様子をお伝えしていきますので、引き続き、温かなご支援・ご協力をお願いいたします。

トルコ・シリア地震緊急支援 寄付ページへ

(パルシック東京事務所 小栗清香)

*この活動は皆様からのご寄付で実施しています。

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