PARCIC

サリー・リサイクル事業

サリーコネクション ジャフナのお祭に出店

8月はジャフナで最も有名なヒンドゥー教寺院、ナッルール寺院のお祭の時期です。毎年25日間に亘って行われるこのお祭、全国各地から参拝客が集まるだけでなく、海外に移住したジャフナ出身のタミルの人びとにとっても里帰りの機会となり、多い日には数万人の人出があるといわれています。

大勢の人出で混雑するナッルール寺院の正門前

大勢の人出で混雑するナッルール寺院の正門前

日本のお祭と同じく期間中は寺の周囲にたくさんの露店が並び、企業が商品の宣伝をしたり、小さなお店ではおもちゃや日用品、洋服などが売られたりします。パルシックのサリーリサイクル事業も初めてこのお祭にお店を出し、商品を販売すると同時にサリーの寄付を人びとに呼びかけました。

パルシックのお店。ジャフナ大学の学生さんも手伝ってくれました

パルシックのお店。ジャフナ大学の学生さんも手伝ってくれました

お寺のお祭はヒンドゥー教の人びとにとってとても大切な行事。結婚式でしか見ないような豪華なサリーやパンジャビドレスを着て参拝する女性たちをたくさん見かけました。「こんなきれいなサリーが集まったらいいな」と願いながら、私たちの寄付の呼びかけにも力が入ります。店番にサリーコネクションの縫製メンバーの女性たちも参加して、事業について説明しました。普段リーフレットは英語で作っていますが、今回のために特別にタミル語のリーフレットも用意しました。

お店での説明に耳を傾ける人たち

お店での説明に耳を傾ける人たち

寄付の呼びかけに対するジャフナの人たちの反応はよく、7日間の出店期間中にお店に直接持ち寄ってくれた人や家で集めてくれた人などから、100枚以上のサリーが集まりました。家でサリーを集めてくれたひとりシヴァパーレンさんは、お寺のお店に立ち寄ったお母さんからサリー事業のことを聞き、早速サリーを集めてくれ、「とてもいい事業だと思います。近所や知り合いからもっとサリーを集めてまた連絡します」と話してくれました。

サリーを寄付してくれたシヴァパーレンさんとお母さん

サリーを寄付してくれたシヴァパーレンさんとお母さん

祭の終盤で行われる儀式のひとつ。寺の内部での儀式のあと、御神体(ナッルール寺院の場合ムルガン神と2人の妻)が外に出てきて寺の周囲を回ります

祭の終盤で行われる儀式のひとつ。寺の内部での儀式のあと、御神体(ナッルール寺院の場合ムルガン神と2人の妻)が外に出てきて寺の周囲を回ります

タンニムリプ村の女性たち

タンニムリプ村の女性たち

7日間の出店は盛況のうちに終わり、それぞれの村から参加した女性たちもお寺で行われている儀式を見たり、他のお店を回ったりして楽しんで帰りました。祭の終盤は重要な儀式が連日行われ、人出もピークに達します。お寺の周囲や内部は歩くのも大変なほどに混雑し、その人出を見越して露店の数も一気に増えます。

皆それぞれの楽しみ方があったようですが、印象的だったのはムライティブのタンニムリプ村から来た女性たち。23人のグループメンバーのうち、14人が参加しました。そのうちのほとんどがジャフナに来ること自体が初めてだったそうです。セルヴァマディーパさんは露店で様々な商品が安く売られていることに感激し、鍋や台所で使う小さな容器、夫や子どもの洋服など合計で3,500ルピー(約2,500円)も買い物をしてしまった、と恥ずかしそうに話していました。他のメンバーも皆、ムライティブにある有名な寺院と比べてもナッルール寺院はさらに規模が大きく、建物もきれいで、来られてよかったと口を揃えていました。

今回のサリーの寄付の呼びかけや商品販売の経験が、メンバーの皆にとって活動へのよい刺激になったことを願っています。

(ムライティブ事務所 伊藤 文)

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