今回は、ムライティブが年に一度だけ人であふれ返る、伝統的なお祭りについてお伝えします。
ワッターパライという約1,400名の村にヒンズー寺院があり、いつもは閑散としているのですが、年に一度だけ盛大なお祭りがあり、主に北部各地から50万もの人が訪れると言われています。
普段は寺院近くまで車で行けるのですが、この日はかなり離れた臨時駐車場から寺院まで歩くことになり、日頃の運動不足を感じずにはいられませんでした。また、年に一度ムライティブで道路が渋滞するところを見ることができます。
ヒンズー教お祭りの醍醐味(?)と言えば、これかと思います。
タミル・ヒンズー教文化になじみのない者にとって、この光景はやはり衝撃的です。現地スタッフに聞いたところ、様々な願をかけて地元のお寺から出発してワッターパライの寺院を目指すそうで、遠いところだと朝に出発して何時間もかけて来るそうです。また、お礼参りとしてもこの苦行をするそうです。
弾力性のある木に吊られているのですが、上にいる人が勢いつけて揺らします。釣り針の大きいもので吊っていて、見るからに痛々しいです。それでも、吊られている人は痛みを感じないそうで、既に別世界にいるような様相でした。目的地のヒンズー寺院に着いたときに、どう針を取り除くのか見たのですが、遠慮なく取り外していて、消毒なんかもせず、見ているほうが痛かったです。
基本的な姿勢は上の写真にあるような形ですが、人によって涅槃仏のような恰好だったり、座っている格好だったりと興味深いです。
この光景を普通のものとして見られる時が来るのかわかりませんが、異文化を感じる瞬間でワクワクします。それでも、苦行を課して願を掛ける、もしくはお礼参りする気持ちは、日本でも似たような感覚があり、根底に流れる同じような思想を感じました。
(ムライティブ事務所 飯田彰)