2019年から、ヨルダン川西岸地区の北アシーラ村で、ゴミ分別によって集めた生ごみを用いた有機堆肥作りを行っています。
2020年夏には、北アシーラ村に温室を設置しました。この新しい温室で、パレスチナの他の農業協同組合が作った堆肥と、北アシーラ産の堆肥を比較できるようになりました。堆肥は、土壌を改良するために使用されます。堆肥は、土が空気や栄養素、水分を保持するのを助けてくれるので、土壌の質が改善され、生産性が上がります。さらに、堆肥は硬い土壌を柔らかくしてくれるので、植物は簡単に根を広げることができます。
「堆肥の種類によって植物の成長はどのように異なるのか?」、「植物を育てるのに理想的な堆肥と土壌の組み合わせは何だろうか?」、複数の堆肥を用いて植物を育てる実験は、こうした疑問への答えを導きます。
最初の実験は8月に、キュウリを使って行いました。2回目の実験となる今回は、レタス、ブロッコリー、イチゴを植えました。
私たちの作った北アシーラの堆肥は2回連続で、素晴らしい結果となりました。苗をよく観察してみると、根っこが他のものよりも大きいことがわかりました。根は、植物のいわば生命線で、根が大きければ大きいほど、成長に必要な栄養素を得ることができます。
植物の根には、主に4つの機能があります。①土からの水と栄養素の吸収、②植物を地面に固定して支える、③栄養素の貯蔵、そして④栄養生殖(イチゴのランナー繁殖や、桜の接ぎ木等、種子からではなく根・茎・葉から植物を繁殖させる方法)。
温室では、植物の風味、質感、外観を確認します。植物を育てたり食べたりすることは、素晴らしい学びになります。レタスの葉1枚に、どれだけの美しさと風味があるかを知って、驚くかもしれません! パルシックチーム全員が、北アシーラ堆肥で育てたレタスの質が最高であるという意見で一致しました。オーガニックであり、豊かな風味があることが食べた瞬間にわかります。
これらの経験から、今後の堆肥作りの方向性が分かってきました。そして今、私たちはパレスチナで最高の堆肥を提供するために一生懸命努力しています。これからも、私たちの温室からの便りをお楽しみに!
(ラマッラー事務所 ヤラ)
※この活動は「北アシーラにおける循環型社会のモデル形成」事業の一環です。地球環境基金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています。