次に家庭での生ごみ一次処理。現在、生ごみ回収・一次処理に40軒ほどの家庭が参加していますが、その一部を橋本さんと一緒に訪問し、様子を確認しました。
ナフェズさんのお家はジャマイン町役場から歩いて2分ほど。8月に生ごみ一次処理ボックスの様子を確認した際には、煙草の吸殻が一緒に入れられているのが気になっていました。今回ボックスの蓋を開けると、煙草の吸殻は見当たりませんでした。代わりに庭の乾いた草花が入れられていて、そのおかげもあり、悪臭や虫の発生が抑えられていました。
次にアニスさんのお宅に行きました。アニスさんは農家組合のメンバーでもあります。生ごみ一次処理ボックスを置いている庭の一角に案内し、工夫している点を話してくれました。
「生ごみと他のごみを分けるように、他のごみ用のバケツをこうして横に置いています。飲食業もやっていて、芋などの野菜の皮がいっぱい出るのですが、野菜の皮は水分を減らすため、こうして天日干しにしてから入れています。」
一次処理ボックスの中を見ると、水分の多い果物によって水分過多の状態になっていました。そこで、追加で持ってきた床材を加え、生ごみが見えなくなるまで被せました。
八百屋やレストランなど、より多くの生ごみが発生するところでは、さらに水分過多の状態で、臭いもきつくなっていました。
「ボックスに生ごみを入れる度に十分な量の床材で蓋をすること。これが何よりも大切。そしてしっかり太陽の陽が当たるところにおいて熱で発酵と余分な水分の蒸発を促進させること。逆に言えば、十分な量の床材を入れ、日に当たるところに置きさえすれば、失敗することはない」と橋本さん。床材の重要性を再認識した一行でした。
10月に入り、今年もオリーブの収穫時期を迎えました。オリーブの搾油場では大量のオリーブの搾りかすが廃棄物として出ています。生ごみ堆肥作りの肝となる床材を十分に作り続けられるよう、農家組合のメンバーがオリーブの搾りかすの取り置きを搾油場に掛け合いました。オリーブ収穫がひと段落する11月、新しいオリーブの搾りかすで床材づくり再スタートです。
(パレスチナ事務所 廣本)
※この事業は地球環境基金の助成および皆さまからのご支援によって実施しています。