先日、クファル・マーリックという、ラマッラーとナブルスの間の村でオリーブ摘みのお手伝いをしてきました。今回お邪魔したムーラさん宅の家の前には、たわわに実ったオリーブがたくさんありました。これをご家族総出で、10月の季節に一斉に集めて絞りオリーブオイルを作ったり、漬物を作ったりします。これが農家の方々の大きな収入源になります。規模にもよりますが、1年のうちの3~4割の収入をこの時期に手に入れられる、ある意味、掻き入れ時とも言えます。
基本的に手の届く範囲は子どもと女性たちが、男性たちは3~4mくらいの高さにあるオリーブを梯子で取りに行きます。そしておばあちゃんたちは、扇風機のガード部分(指などを羽に入れないようにする金属カバー部分)を使いオリーブの葉と実を選り分ける作業を行います。
小さいオリーブの樹にもたくさんのオリーブがついており、手作業だけでは大変な時があります。その時はプラスチックの熊手を使って一気に回収します。木の下をビニールシートで覆っているためにボロボロ落ちていくオリーブを後から一気にまとめて回収します。麻袋にそれらをまとめると簡単に10キロ~20キロ近くになります。
さて、せっかくたくさんのオリーブを集めたならば、ということでオリーブオイル工場まで見学しに行きました。
オリーブオイル作成の過程を簡単に説明すると、
ありがたいことに、アメリカへオリーブオイルを輸出しているパレスチナオリーブオイル会社の社長さんが、オイルをまとめている現場に偶然立ち合って、搾りたてのオイルを味わうと共に2~3ヵ月寝かせてまろやかにしたオリーブオイルとの味を比較させてもらいました。搾りたてはやはり味が若いといいますか、少々ピリッとする青くさい刺激がありました。前述のJamal社長の話では、船便で運ばれている2~3ヵ月の間に、味がまろやかになるそうです。
またオリーブを絞った後のオリーブの搾りかすは乾燥してペレットのように加工して、工場のマシーンを動かす燃料になるようです。オリーブは種からすべて残さず使うんだなぁ、と感心しました。
(ラマッラー事務所 長岡)