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ガザの学校生活、迫る最終試験!

※この記事は、5月のガザ空爆の前に、現地スタッフのタグリードが書いたものです。5月10日から21日まで、ガザはイスラエルとの間で11日間の戦闘状態に入りました。その間、パルシックが支援する女性たちや現地スタッフから聞こえてきたのは、空襲への恐怖とともに、子どもたちの学校や将来を心配する声でした。軍事封鎖下にあり、数年おきに戦闘が起きるガザですが、子どもにより良い人生を歩んでほしいと願う親の思いは変わりません。現在ガザでは、緊急支援や復興が進められていますが、子どもたちを含む人びとのケアは、大きな課題となっています。

自宅で子どもに勉強を教えるお母さん

チックタック、チックタック。

「タウジーヒ」まで、もう時間がありません!タウジーヒとは、中等教育の最終学年に行われる全国一斉試験です。学生は、自分の専門性や希望に合った大学に入るため、この試験に合格しなければなりません。タウジーヒの結果は、教育においても、人生においても非常に重要です。

はじめに、パレスチナの教育制度について簡単に説明させてください。まず、4歳から5歳5ヶ月の子どものための、就学前教育(幼稚園)から始まります。 その後、一般教育が10年間(1年生~10年生)。そして、中等教育が2年間あり(11年生と12年生)、科学と文学の2つのコースがある「学術教育課程」か、商業、農業、工業、ホテル業、家政学の5つのコースがある「職業教育課程」のどちらかを選択します。その後、大学や短期大学、専門学校での高等教育に進みます。

将来のかかった「タウジーヒ」が近づくと、学生の家族も、難しい状況に置かれます。誰もが、不安や恐れ、緊張を隠すことができません。私は教育の専門家ではありませんが、経験を通して知っています。長女のラガッドは、今年試験を受けるのですが、家族中が不安と緊張、そして期待を感じています。 そして次女のハナは、来年が試験の年です。2年間もこのような経験をするのかと思うと、複雑な気持ちです。

親は、試験前の子どもを特別扱いです。いつも励まして、気持ちを落ち着かせ、勉強のための場所を用意します。しかし、新型コロナウィルスは学校生活にも大きな影響を与えています。政府は非常事態を宣言し、一時すべての教育機関が閉鎖されました。学生たちは、ほとんど毎日、家でオンライン授業を受けています。新型コロナウィルスによって、オンラインが当たり前になりましたが、すべての人がパソコンや携帯電話をもち、インターネットに接続できるというわけではありません。 それに加えて、ガザでは日中8時間しか電気が使えませんし、夏になると、電気が使える時間はもっと少なくなります。

さて、試験の結果が発表されると、学生は親戚や友人たちからお祝いのメッセージを受け取るだけでなく、高価なプレゼントや、大学の授業料も受け取ります。 成功の喜びは、本人だけでなく、家族や友人、隣人にも広がります。近所からは、歌や泣き声が聞こえてきます。これまでの疲労と頑張り、徹夜の日々が報われる1日。1年間、一生懸命勉強し、成功の甘い果実を刈り取った人へのご褒美です!

お祝いのお菓子

※当初6月17日に予定されていたタウジーヒ(一斉試験)ですが、パレスチナ全土における治安悪化の影響を受けて一週間延期され、6月24日に実施されました。

(ガザ事務所 タグリード)