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パレスチナ:ラマダン、パンデミックの陰で

2年連続、今年のラマダンもCovid19パンデミックの制限期間中に行われます。パレスチナを含める世界のあちこちで、4月13日からラマダンが始まりました。この開始のタイミングは新月の確認によって決まります。

カウントダウンカレンダーで、子供たちはラマダンをよりワクワクして過ごせます(ラマダン後のイードのお休みまでをカウント)。

ラマダン月には、たくさんの露店が現れます。そのうちの1つはお家の装飾品です。

この時期アラブ世界のどこかを歩いている方、「わたしを怒らせないで、断食をやめてしまうよ!」という冗談が聞こえてくるかもしれません。断食月の最初の数日間は、体内のシステムがショックを受け、頭痛、めまい、吐き気、激しい空腹がともないます。あなたの周りに、もしコーヒー好きや喫煙者がいるなら、朝の接触は避けてください。

イフタール中(断食後の最初の食事)やイフタール後に飲むすっきりとしたラマダンジュースは、水分をたくさん失った体の水分補給に役立ちます。

普段ならば、パレスチナや世界中のすべてのイスラム教徒は、夕食の席で家族や友人と聖なる月を祝い、その後モスクで夜のお祈りをしていました。

今年は、昨年のラマダンと比べると、いくつかの条件が緩和されました。モスクが再開し、カフェは午後10時まで営業し、スーパーマーケットと市場は午後8時まで営業します。しかし、政府は引き続き移動と集会の制限を義務付けています。

たとえば、エルサレムのアル・アクサモスクは昨年のラマダン中閉鎖されましたが、今年はワクチンを接種した人のみが、マスクを着用し、社会的距離を保つことを条件に立ち入りが許可されます。

ラマッラーの場合、2020年のラマダンの灯篭点灯式は、ラマッラー市の自治体協力の下、ラマッラー知事が行い、市民はライブ中継されたイベントを自宅から見てお祝いしました。今年、知事と自治体に加えて数人が式に参加。両手を広げて泣きながらラマダンを祝福し、聖なる月を再び迎えられたことを神様に感謝しました。

灯篭(ランタン)は中東地域でラマダンの伝統的・文化的なシンボルになり、どこに行っても見ることができます。

新型コロナウィルス感染症のパンデミックにより、多くのビジネス、事業が凍結、停止し、深刻な経済的苦難をもたらしました。そのため、今年は多くの人びとが、この特別な機会を利用して、お菓子を焼いたり、伝統的な料理やピクルス、ジュースを準備したりするなど、小さな家庭規模の事業を行っています。

パレスチナでラマダン月の大人気デザートといえば、カターイェフ。

ラマダンの聖なる月、断食明けの最初の一口としてピクルスがよく食べられます。

ラマダン月はこれまで以上に困難になるでしょう。多くの家族は夕食のテーブルの周りの席を埋めることができず、普段なら集まって一日の長い断食を一緒に明かして過ごす人たちがいない寂しさを感じています。

ラマダンの初日は、ことわざに「最初は白か緑」と書かれているように、白または緑のメインディッシュで迎えられるのが通例です。

食欲をそそる料理と絶品デザートが満載のラマダンメニュー

でも、神の助けにより、この困難もいつか過ぎ去ると信じています。神の信仰を失わないために。

パルシックより、健康で幸せなラマダンをお祈りします。

(パレスチナ事務所 ヤラ)