7月の第1土曜日は、国際協同組合の日でした。
パレスチナは、2019年11月から国際協同組合同盟に参加しています。パレスチナの協同組合は、大衆文化、習慣、伝統、地域社会とのつながりを背景としています。たとえば、結婚式やその他のお祝い、災害、農地での作業では「互いに助け合う」「連帯」するという伝統があり、活動は家族や親族内で組織されています。パレスチナには、現在866の協同組合があり(677団体が ヨルダン川西岸地区、189団体がガザ地区)、そのうち女性が運営する組合は47団体、協同組合に参加する女性の数は約12,000人といわれています。農業協同組合、住宅協同組合、工芸協同組合など、さまざまな形態の協同組合がありますが、女性たちの多くは農業などの生産部門の組合に参加しています。
さて、パルシックが支援してきた女性たちが結成した組合も、ついに正式に発足しました。羊を飼育する女性たちの畜産組合で、羊乳の回収や乳製品作りを協働で行います。ここまで長い困難な道のりでしたが、ようやく公式の法人として日の目を見ました!
パレスチナでは、労働省が協同組合の登録および監督を担当しています。労働省に組合登録するために、女性たちは働きバチのように働きました。
代表のエクラムさんはこう話します。「協同組合を登録するためには、たくさんの関連書類を準備しなければなりませんでした。事業に関する採算性レポートを作成し、省庁が求める多くの書類をそろえて、数ヶ月間待ちました。登録に時間がかかったのは、新型コロナウィルスの感染拡大のためです。省庁のほとんどの部署が閉鎖され、業務が行われていませんでした。それでも私たちは皆、自分たちの生活をより良いものにするため、協同組合を始めたいと強く思っていました。多くの困難がありましたが、一生懸命働き、お互いに助け合いながら乗り越えてきました。他の協同組合を訪問し、彼らの経験から学ぶことで、自分たちのモチベーションを高めました。また、困ったときや情報が必要なときは、労働省にある協同組合を管轄する事務所にも足を運びました。」
承認を待つ間も、女性たちは少しずつ活動を進めてきました。2021年3月には、3日間行われた農業省主催の展示会に参加しました。羊のエサとして育てている大麦を展示し、来場者が試食するためのヨーグルト、ディル(ハーブの一種)とコショウで味付けしたラバネ(中東地域で食べられているチーズのようなヨーグルト)、ホワイトチーズ、バターを用意しました。
彼女たちの作った乳製品は好評で、展示会は成功のうちに終わりました。組合は、これからチーズ製造工場を設立して、スーパーマーケットや小売店、そして大きなモールなどで、ホワイトチーズを販売する予定です。
労働省からの承認を得た後の2021年6月23日、21名の組合メンバーが出席して理事会選挙が行われました。理事の中から会長、副会長、書記、会計、そして3人の監査が選出されました。7月7日、理事会メンバーは最初の理事会を開きました。
協同組合のロゴのデザインや組合事務所の家具の購入、組合員以外の羊飼育者からのミルク購入の可能性などを話し合いました。理事会では事前に議題を準備し、書記が会議内容を記録し、会計担当者が収支をすべて説明しなければなりません。理事会メンバーにとって初めての正式なミーティング、特に書記にとっては慣れない議事録作成でしたが、なかなかいい仕事をしてくれました!
(ガザ事務所 タグリード)
※この事業は外務省NGO連携無償資金の助成と皆さまからのご寄付により実施しています。