第1回目の配布地はガザの中部地区にある Joher Al Deek と Al Buriej で、そこで暮らすイスラエルの攻撃によって被害を受けた住民に対して行いました。両地域ともイスラエルの国境沿いにあるため、今回の攻撃でかなり大きな被害を受けました。
82歳のAl-Buriejに住む男性、アブ・イブラヒムさんにインタビューしました。彼は6人いる息子のうち2人と一緒に住んでいます。イスラエルの攻撃が始まったときは、イスラエルとの国境近くにある家と家畜から離れたくなく、居座ると言ったそうです。陸からの上陸が始まる直前、息子たちは強制的に彼を家から避難させ、約30名いる大家族の移動となりました。イスラエルの攻撃が終わり、元いた場所に戻ってみると、家は破壊され、オリーブの木もなぎ倒され、家畜も当然のように全滅していた。「この状況をとても言葉では言い表せない」と大きなショックを受けています。
今回のプロジェクトは、多くの野菜を18の貧しい小規模農家より購入し配布します。配布前には「食糧バスケット」と呼ばれる配布用の野菜セットを作る必要があり、配布する人手が必要だったため、短期の作業員を10名募集しました。ガザは失業率が60%と以前より高く、多くの応募が見込まれたため、1.現在失業中であり5名以上の家族を養う必要があること、2.一家の唯一の稼ぎ手であることを雇用条件としました。
雇用者の1人、カマルは10名の家族を養っています。2人の息子はすでに大学を卒業していますが、現在は無職です。カマルはこの2年間、NGOが募集する短期間の仕事のみの収入で家族を養っています。この仕事の収入で、冬に備えてヒーターと毛布を買う予定とのことです。
アシュラフさんの養鶏所では、今回のイスラエルの攻撃により肉用鶏が全滅しました。しかし運よく、採卵用鶏は一部生き残りました。今回の配給では、彼の養鶏所より275パック(1パック卵30個)を購入し、配布用としました。
オマールさんは農場を持っており、イスラエルの攻撃前には畑にトマトを植えていましたが、イスラエルのガザへの侵入時に、畑はブルドーザーによって 破壊されました。攻撃が終わってからはまたジャガイモを植え、今回の配給では約2トンのジャガイモを彼の畑より購入し、配給用としました。
※この事業はジャパン・プラットフォームの支援によって行っています。
https://www.japanplatform.org/programs/gaza2014/
(アンマン事務所 大野木)