PARCIC

国内避難民への物資配付および教育支援

ミャンマー少数民族地域での食料と物資の配付

パルシックは、2022年9月から、ミャンマーの少数民族地域での食料・物資の配付活動を開始しました。

ミャンマーの少数民族地域は、山岳地帯という地理的特徴もあり、開発が遅れ、貧困率の高い地域が多くあります。もともと人口の半数以上が貧困状態にあったようなこれらの地域の人びとは、戦闘による避難や物価上昇により、さらに深刻な人道危機に直面しています。(2022年末時点でミャンマー全体で150万人以上が国内避難民となり家を追われています。)

さらに、戦闘により道路が封鎖されたり、人道支援が入ることを制限されたりして、アクセスの悪い少数民族地域にはなかなか支援が届かない現状があります。

食料を運ぶ様子

パルシックの活動地域では、多くの人が農家として暮らしていますが、2021年2月のクーデター前は、公共事業(建設事業)があり、それで生計を立てていた人も少なくありませんでした。しかしクーデター後はその仕事が一切なくなってしまいました。公共機関で働いていた公務員の仕事もなくなり、収入を得る手段が失われてしまいました。

とうもろこしを乾燥させている農家

多くの人が農家とはいえ、そもそも不毛な土地であり、野菜はなんとか育てられるものの、米は作れず買わなければなりません。そのため、米を中心に、豆や油、卵などを600世帯に配付しました。

配付の様子

配付の様子

配付時には、混乱と間違いを避けるため、それぞれの家族の名前を確認しています。さらに何軒かの家を訪ね、配付したもののうち何が役に立ったか、何があればもっと良かったかといったことをお聞きしています。

食料と物資を受け取った方からの声をご紹介します。

「これまで、茹でたタケノコしか食べられなかったので、子どもたちは目玉焼きを食べられてとっても喜んでいました。米が高くて買えないので、米をもらえて助かりました」

仮住まいの家の中で薪をくべて料理する様子

「子どもたちは卵と食用油をとても喜びました。でも母親としては、米が一番助かりました。米の値段が一番高いので」 (ミャンマーでは米の値段は1年間で60%高騰しました*) 

家の中で料理

冬の寒い日には3,4度まで下がります。そのため、食料に加えて、ろうそくとブランケットも配布しました。

「家には電気が無いので、ろうそくはとても役に立ちました。今は子どもたちが夜も勉強できます。冬は寒いので、ブランケットも助かりました。」

*WFP Market Price Update, November 2022

(パルシック東京事務所)

※この事業はジャパン・プラットフォームからの助成と皆さまからのご寄付で実施しています。

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